本セミナーでは、ガラスの熱伝導率、粘性特性、熱膨張率などの基礎から解説し、ガラスの強度測定法、破壊解析手法やガラスの強度を高める手法 (熱強化、化学強化) について詳しく解説いたします。
ガラスは、その組成や構造を変えることにより希望する諸特性を容易に得ることができる有用な材料です。熱的特性はその最も重要な因子のひとつであり、新しいガラスの開発目標物性として、例えば熱膨張率が入っていることは少なくありません。一方、ガラスを生産する上で、粘性特性や熱伝導率も一定の範囲に抑えることも重要です。さらには、ガラスの要求特性の一つとして、あるいは生産性を上げるために、種々の機械的特性も向上させる必要があります。機械的特性と熱的特性は密接な関係にあり、熱的特性を見直すことにより、強度や破壊に代表される機械的特性を向上させることも可能です。 しかし、熱伝導率、粘性特性、熱膨張率等の熱物性の基礎概念と測定方法が十分に理解されているとは言えない状況にあります。また、熱伝達率については、その基礎概念と測定方法が曖昧な形で理解されていることが多々あります。溶融状態におけるガラスの熱伝導率については、その重要性が認識されているにも拘わらず、その測定方法が確立されていないこともあり、ほとんど報告の例はありません。また、ガラスの熱的破壊と強度測定法についても、十分に理解されているとは言えない状況にあります。 ガラスにおける熱的特性の概念を基礎から見直すことにより、要求性能や生産性の向上に寄与することが可能です。今回の講習では、実際に行われた2つの事例、熱強化ガラスにおける易強化性の増加、グラスファイバーの生産性向上 (粘性特性と冷却能の見直し) を説明し、他のガラス関連商品への応用も提案します。
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