第1部
金属系フィラーの使い方と高熱伝導化
(10:30~12:00)
金属は電気や熱の良導体で、金属系フィラーを高分子に分散した導電性、熱伝導性複合材料が開発され使用されている。金属は比較的加工しやすい素材なので、粉状、箔片状、繊維状にすることができ、フィラーとして選択幅が広い。
本講では金属系フィラーの製造方法や特徴を形状別に解説するとともに、高熱伝導化技術について述べる。
- はじめに
- 金属粉工業の歴史
- 熱伝導機構と高熱伝導化方法
- 金属粉
- 製造方法と得られる金属粉の特徴
- 高分子との複合化技術
- 金属箔片
- 製造方法と得られる金属箔片の特徴
- 金属繊維
- 製造方法と得られる金属繊維の特徴
- 高分子との複合化技術
- 熱伝導性金属フィラー
- 銀粉、銅粉、金属ナノ粒子
- 高分子複合材料の熱伝導特性
- 金属系フィラーの取り扱い方法
- 物理化学特性
- 発火・粉塵爆発特性
第2部
シリコーン放熱材料の特徴と低熱抵抗化
(12:45~14:15)
シリコーンとは、という原点に立ち戻り概説を行い、シリコーンがいかに放熱材料に適しているかを他のゴムと比較しながら説明を行っていく。
そしてシリコーン放熱材料の低熱抵抗化への様々なアプローチを述べ、最後に弊社製品を例に挙げ様々なタイプの放熱材料の紹介を行なう。最新技術にも少し触れる。
- 放熱材料概説
- 放熱材料とは
- 熱伝導率とは
- 熱抵抗とは
- シリコーンゴムの特性と各種ゴムとの比較
- シリコーンとは
- シリコーンゴムの諸物性、各種ゴムとの比較
- シリコーン放熱材料
- 熱伝導性フィラーのシリコーンへの高充填化
- 低接触熱抵抗化
- 薄膜化
- シリコーン放熱材料紹介
- シートタイプ
- グリースタイプ
- 2液付加反応型
- 1液縮合反応型
第3部
セルロースナノファイバで透明な高熱伝導フィルムを作る!
(14:30~15:40)
セルロースナノファイバは、高強度、低熱膨張性であるとともに、高熱伝導性も有する。
本講演では、セルロースナノファイバの細さ (<100nm) と高熱伝導性に着目し、無機ガラス並みの高い熱伝導性を有する透明樹脂フィルムの作製方法とその諸特性について解説する。
- セルロースナノファイバの諸特性
- 形状
- 外観
- SEM像
- 結晶性
- X線回折曲線
- 結晶性がセルロースナノファイバにもたらす特性
- 屈折率
- セルロースナノファイバを用いた透明高熱伝導フィルムの作製
- セルロースナノファイバシートの作製
- 透明高熱伝導フィルムの作製
- 透明高熱伝導フィルムの形状
- 外観
- 断面SEM像
- セルロースナノファイバを用いた高熱伝導フィルムの諸特性
- 熱伝導性
- サーモグラフによるデモンストレーション
- 測定方法
- 結果
- 形状効果の検討 (計算との比較)
- 透明性
- 媒体樹脂の屈折率と透明性の関係 (計算との比較)
- その他
- 寸法安定性
- 弾性率
- まとめ
第4部
ポリマーナノコンポジットの電気絶縁性、熱伝導性付与と特性評価
(15:55~17:25)
電力機器、パワーデバイスや電子回路基板の小型・高性能化は機器・デバイス内部で発生する熱の外部への放 散が課題となる。高熱伝導性と電気絶縁性の双方向上は相反する特性であるが、様々な分野で要求度が高い。その改善策としてナノコンポジット技術の適用を検討しており、その開発事例を紹介する。
ポリマーナノコンポジットの材料のデザイン・作製技術、電気絶縁性と熱伝導性付与技術および電気絶縁や熱的特性評価法の原理から測定例について紹介する。
- 【ナノコン】 高分子材料のナノコンポジット技術
- ポリマーナノコンポジットとは?
~ポリマーと無機ナノ粒子~
- 新しい複合材料の概念
- ポリマーナノコンポジット技術で何が良くなる?
~各種電気絶縁特性~
- ポリマーナノコンポジットはどうやって作る?
~直接ナノ粒子分散法~
- 【放熱】 高分子材料の熱伝導性付与と評価
- 熱伝導の原理・評価
- 高熱伝導性複合材の開発ポイント
- 熱伝導性は向上する? ~熱伝導パスの有効形成~
- 【絶縁】 高分子の絶縁性付与と破壊のメカニズムと評価
- 電気絶縁特性は向上する?
- 絶縁耐力、耐コロナ性、耐トリー性
- 電子材料を意識した各機能性付与技術と両立技術
- 高熱伝導性と電気絶縁性の双方向上は可能か?
- 電子材料を意識した各機能性付与技術