第1部
ヒトiPS細胞の創薬研究への応用 ―現状と課題―
(10:30~12:40)
創薬研究にかかる莫大なコストとリスク削減のため、候補化合物のヒト生体内動態予測や毒性評価を如何に行うかが重要な課題となっている。
iPS細胞のヒト肝細胞への分化誘導研究の現状を紹介し、薬剤評価への応用の可能性について議論する。
- 幹細胞とは?
- 幹細胞の定義
- 幹細胞の分類—iPS/ES細胞と組織幹細胞
- 幹細胞の特性—分化能と自己複製能
- 幹細胞を創薬研究に応用するメリット
- 肝細胞への分化誘導
- 肝細胞への分化誘導研究の世界的動向
- どの発生段階までヒト肝細胞は分化誘導が出来ているのか?
- どの程度の量のヒト肝細胞を分化誘導により創り出せるのか?
- 分化誘導したヒト肝細胞の均質性はどの程度担保できるのか?
- 分化誘導したヒト肝細胞のバリデーションの重要性
- 絶対定量プロテオーム解析によるヒト肝細胞評価法の確立
- 絶対定量プロテオーム解析を用いた薬物代謝酵素群の発現評価
- 絶対定量プロテオーム解析を用いた抱合代謝酵素群の発現評価
- 絶対定量プロテオーム解析を用いた輸送担体群の発現評価
- iPS細胞の薬剤評価への応用
- リード化合物の最適化プロセスにおける課題
- それらの課題をiPS細胞を活用することにより解決できるのか?
- In vitro評価系への応用
- In vivo評価系への応用
- 個人差の評価への応用—ファーマコセロミクスの新展開
第2部
ヒトiPS細胞とヒト誘導肝幹細胞を活用した創薬、安全性研究への応用
(13:30~14:30)
ヒトiPS細胞と増殖が不可能なヒト成人肝細胞の実用上の課題を克服した細胞が望まれる。
無限の自己複製能と肝細胞の機能を合わせ持つ細胞が樹立可能であれば、創薬などのために必要な細胞を安定かつ長期的に供給できる。
- 多能性幹細胞を体細胞から樹立
- コロニー形態、長期培養、染色体解析
- 免疫染色、ALP 活性
- ゲノムワイドな遺伝子発現
- 多能性の確認
- ヒトiPS細胞のドナー細胞の確認
- ヒトiPS細胞の主要組織適合抗原
- 肝分化のプロトコル
- 株間での肝分化能の差
- コロニーは1個の細胞由来?
- ヒトiPS細胞はモノクローン?
- シングルセルの計測データとの関連性
- ヒトiPS細胞のシングルセルソーティング
- 生細胞のダメージレスソーティング
- ダメージレスソーティングの原理
- モノクローナルヒトiPS細胞の核型と染色体
- ヒトiPS細胞と肝細胞の創薬応用
- 分化誘導は簡単でない
- ダイレクトリプログラミング
- ヒト誘導肝幹細胞の樹立
- 無限増殖可能なヒト誘導肝幹細胞
- ヒト誘導肝幹細胞は特有の遺伝子発現
- ヒト誘導肝幹細胞の特徴解析
- 質疑応答・名刺交換
第3部
創薬におけるiPS細胞を活用したin vitro毒性評価
(14:45~16:30)
遺伝子導入技術を駆使したヒトES/iPS細胞から肝細胞への分化誘導法の開発に関する研究とその創薬応用に関して紹介する。
- iPS細胞の医療応用への可能性
- ヒト肝細胞を用いた毒性評価の現状と問題点
- 各種毒性評価系のメリット・デメリット
- ヒトiPS細胞から肝臓、心臓、神経細胞への分化誘導
- 機能遺伝子の導入による高効率分化誘導
- iPS細胞研究における遺伝子導入ベクターの役割
- 細胞分化誘導と遺伝子導入ベクター ―求められる用件―
- 細胞分化誘導と遺伝子導入ベクター ―各ベクターの特徴―
- 改良型アデノウイルスベクターによる高効率遺伝子導入
- アデノウイルスベクターによる細胞分化制御
- ヒトES細胞やヒトiPS細胞から肝細胞への分化誘導の問題点
- どの程度の活性を有した分化誘導肝細胞の作製を目指すのか?
- SOX17遺伝子による高効率内胚葉分化
- HEX遺伝子による高効率肝幹前駆細胞分化
- SOX17、HEX遺伝子の組み合わせによる高効率肝細胞分化
- 肝成熟化の促進に向けたアプローチ
- 3種の遺伝子導入による肝細胞への高効率分化誘導
- 分化誘導肝細胞のLDL取り込み、グリコーゲン貯蔵、ISG取り込み能
- 分化誘導肝細胞のALB、ASGR1発現量
- 分化誘導肝細胞の薬物代謝反応関連遺伝子発現レベル
- 分化誘導肝細胞のCYP活性評価と酵素誘導
- 分化誘導肝細胞の肝毒性を有する薬物への応答性
- 分化誘導肝細胞の形態評価
- 細胞株による肝細胞マーカー発現レベルの相違
- アデノウイルスベクター遺伝子導入細胞の遺伝子発現期間
- まとめと今後の課題
- 質疑応答・名刺交換