本セミナーでは、人が質感を認知する原理から、触覚と視覚による知覚情報の測定方法、解析まで解説いたします。
~質感知覚の基礎となる脳機能の計測~
(2018年9月25日 10:00〜12:00)
近年、人間の脳を非侵襲に計測する技術の発展に伴って、未知の脳機能に迫ることが可能になってきた。 本講座の前半においては、脳の基礎知識を説明した上で、高級感、上質感の基礎となる視覚 (末梢・中枢) やその他の感覚、マルチモーダルに関する脳機能について解説する。後半においては、それらの計測を可能とする最先端の脳計測技術 (電磁気計測手法・代謝計測手法) を解説し、比較する。最後に高級感・上質感と脳の関係について述べる。
(2018年9月25日 12:50〜14:50)
近年、製品に高級感や上質感を付与するための質感のデザインが注目されるようになってきています。質感は極めて感性的な概念であり、従来は人間による主観的な評価が中心でしたが、より定量性や再現性のある計測手法が求められています。 本講座では、MEMS技術を用いて作製した、多軸接触力・光・温度に対して複合的に感度を持つ超小型センサの開発と、それを用いた人間が感じるものに近い質感の定量的評価手法の研究についてご紹介いたします。
~光沢の知覚と記憶の心理過程~
(2018年9月25日 15:00〜17:00)
視覚によるヒトの質感認知は極めて緻密であるが、その機構はまだ不明な点が多い。大域的な統計情報の抽出という観点から質感認知を説明するアプローチを紹介し、それと並行して、質感の知覚や記憶を厳密に測定する手法を光沢感を例に紹介する。 視覚による質感認知研究における心理学的、認知科学的課題と、現在の最先端の理論研究の現状、ヒトの質感認知を正確に計測するための心理学実験、脳機能計測実験、及びデータ計測・解析の手法を習得できる。