フッ素樹脂は、汎用熱可塑性樹脂と比較して耐熱性、難燃性、耐薬品性など、多くの優れた特性を併せ持った材料であり、汎用樹脂の代表であるポリエチレン、ポリプロピレン、またエンジニアリングプラスチックであるポリアミド、ポリカーボネートなどと比較して生産量は小さいものの、フッ素樹脂特有の性質ゆえに工業的、化学的に非常に重要な材料である。 近年、半導体等の有望市場が急成長していることにも絡み、フッ素樹脂の適用ニーズは増加傾向にある。このような状況下、新たにフッ素樹脂を取り扱う成形メーカーや最終製品の性能向上のためにフッ素樹脂を取り扱うメーカーが多く散見されるようになってきた。 本講座ではフッ素樹脂を取り扱う上で必要となる基礎知識と応用知識に加え、各用途でのフッ素樹脂を使いこなすための実用上の実践知識について解説する。また従来のフッ素樹脂の用途以外の新たな用途展開と応用技術についても触れる。 最後に新たな用途展開へのAGCの取り組み事例として、AGCが長年培ったフッ素技術を用いて開発した新ブランドである、Fluon+PLUS (フルオンプラス) を紹介する。