スケールアップ・ダウンのための実験データのとり方・検討と失敗例/解決 (対処) 法

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プログラム

第1部 失敗例から解説する開発初期でのスケールアップ/ラボ検討で取得しておくべきデータと活用

(10:30~13:00)

 本講座では、医薬品開発初期段階のプロセススケールアップに焦点をあてる。プラントでは何が出来て何が出来ないかに着目しながら、ラボ検討で取得しておくべきデータとその活用について解説する。反応危険性評価とプロセスレビューシステムの重要性についても解説する。  演者が経験した失敗例を紹介しながら、プロセス理解がスケールアップ失敗回避にいかに重要かを説く。

  1. スケールアップ検討に入る前に
    • 医薬品開発におけるプロセス化学
    • 製剤研究との連携
    • 理想的なプロセスとプロセス研究のステップ
  2. ラボとプラントの違い
  3. ラボでのデータ取りとその活用
    • チェックするべき項目
    • サンプリングシートとその活用
    • 安定性データ、ストレステスト
  4. ユーステスト、模擬実験
  5. 反応危険性評価
  6. プラントへ移る前に
    • 攪拌の課題、ろ過の課題
    • プラント機器の材質
    • ダミーラン
    • コミュニケーション、レビューシステム
    • 質疑応答・名刺交換

第2部 スケールアップ・ダウン検討と失敗例/解決 (対処) 法

(13:40~16:30)

 医薬品原薬、中間体、化学品開発の最終目標はその商用生産にあり、スケールアップ検討は避けられない部分である。経験的に商用生産に結び付けたプロジェクトは多数あるが、スムーズに進んだことは殆どなく、失敗した経験 (原因究明に伴うスケールダウン実験) がその後の商用生産に役立つケースが多い。スケールアップで失敗すれば時間、原料費等損失は大きい。  実際に経験した失敗をどのように解決して商用生産に結び付け、その後の検討に生かしたか実例をもとに説明する。

  1. スケールアップとは
    1. 考え方、医薬品原薬の開発を例に
    2. チェック項目
    3. 実験の進め方、スケールダウン実験の重要性
      • 過酸化水素水によるスルフィド誘導体の酸化反応を例に
  2. アミノチアゾール酢酸誘導体の商用生産 (7工程、数トン/年生産) の例
    • ここでは一つの化合物に絞り、実験室スケールからパイロット (200~300L) 、更に商用生産 (数1000Lスケール) へのスケールアップで経験した失敗例、問題点をどのように解決して商用生産に結びつけたか、各工程のポイントを含め説明する。
      1. 出発原料 (アセト酢酸エステル誘導体) の選定 (何を基本に設定すべきか?)
      2. 原料、中間体の安全性評価
      3. オキシム化工程 (NaNO2/酸) での酸の選択、考え方
      4. ジメチル硫酸によるメチル化工程での塩基の選択、考え方
      5. 爆発性中間体の単離回避の検討、廃液の問題
      6. 臭素化工程のスケールアップの問題点、反応開始、副生物、反応機構
      7. チオ尿素によるチアゾール閉環工程での塩基の選択、副生する異性体の除去
      8. アシル化工程の簡略化 (操作が煩雑、抽出-濃縮工程の省略)
      9. アシル化、加水分解生成物の単離方法 (生成物はクリーム状で濾過性が悪く、遠心脱水に長時間必要)
      10. 加水分解工程の改良 (副生物が発生) 、操作簡略化
      11. 加水分解生成物 (カルボン酸誘導体) の再結晶工程の問題 (異性化) 回避
      12. 最終工程 (五塩化リンによるクロル化)
        • コスト問題から溶媒回収が必須 (塩化メチレン/n-ヘキサン混合溶媒から塩化メチレン、n-ヘキサンを回収できるか)
        • 最終洗浄溶剤と乾燥後の製品の品質の相関性
        • 回収溶剤 (塩化メチレン、n-ヘキサン) に微量のアセトンが混入
  3. その他の事例
    1. 設備が腐食してしまった (小スケール実験では想定不可)
    2. ジャケットの保温効果 (想像以上に保温効果が良く、オーバー反応)
    3. 加水分解後の濃縮 (濃縮中に反応が進行)
    4. 原料のグレード変更:低純度品 (98%) を高純度品 (99.5%↑) に変更したところ逸脱、規格外の製品が得られた
    5. 水和物→無水和物の変換 (乾燥機の選択を誤って失敗)
    6. 危険な試薬を使用しなくてはならない (20Lスケール以上は危険性で実施不可)
    7. 先入観を持って検討を開始したため検討に時間を要した
    8. スケールアップを計画したら目的純度の原料が入手できない
    9. 転位反応が原因でスケールアップしたら目的物が得られなくなった
    10. その他
    • 質疑応答・名刺交換

会場

大田区産業プラザ PiO
144-0035 東京都 大田区 南蒲田1-20-20
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