活性炭、ゼオライトなどの多孔体は、物質の分離・精製、気体の貯蔵などに広く用いられています。さらに近年はメソ多孔体、多孔性有機金属錯体などの新しい多孔体が注目され、これらの応用について検討がされています。
本講演では、まず代表的な多孔体の幾何学的・化学的な細孔・表面の構造を説明します。そのうえで、多孔体への各種気体分子の吸着メカニズムについて説明します。窒素、アルゴン吸着による多孔体の細孔構造 (細孔径分布・細孔容量) の解析法などについても解説します。
- 吸着の基礎
- 吸着とはどのような現象か
- 吸着現象の利用
- 多孔体と吸着
- 代表的な多孔体と細孔制御
- 多孔体とはどんなものか
- 多孔体の細孔について
- 多孔化で表面積,細孔容積はどのように変化するか
- 細孔径による多孔性材料の分類
- 代表的な多孔体と細孔の制御
多孔性シリカ,ゼオライト類,活性炭・活性炭素繊維,多孔性金属錯体PCP/MOF
- 吸着をもたらす表面と気体分子間の相互作用
- 分子間相互作用
- 細孔表面の化学構造の制御と吸着性
- 気体吸着実験法と解析
- 吸着測定の原理
- 吸着等温線
- 吸着等温線の解析と吸着理論
- 平坦平面への吸着
- メソ細孔、マクロ細孔への吸着
- ケルビン式と毛管凝縮
- メソ細孔分布解析の考え方 (DH法、BJH法)
- 水銀圧入法
- ミクロ細孔への吸着
- スリット型細孔への吸着 (ミクロ細孔充填)
- ミクロ細孔の解析 (t – プロット、DRプロット)
- 吸着エネルギーの測定と解析
- 吸着の熱力学
- 吸着エネルギー測定の原理
- 微分吸着エネルギー曲線の解析
- 等量吸着熱
- まとめ