我々は米国の有害事象セルフレポートの統計解析から特定の有害事象を軽減する新しい薬効を既存薬に見出し、新しい創薬標的を提案する研究を報告した (Sci Rep 6: 26375) 。しかし、有害事象セルフレポートは母集団に大きなバイアスがあるため真の臨床エビデンスではなく、実証実験や作用点の検証が必要である。 本講演では、有害事象ビッグデータを取り扱う基本から、レセプトデータ等による検証、さらには実証実験への展開や作用点推定のための手法など、ドライ解析からウェット実証に至るポイントについて経験に基づいて紹介する。