錠剤は服用する側からの利点と、製造する側からの利点がある。打錠工程は、単独では成り立たず、造粒、混合、整粒などの前工程の影響を顕著に受ける圧縮成形工程である。錠剤は医薬品製造工程のほぼ最終工程に位置し、医薬品の有効性・安全性を確保する重要な工程である。
一連の工程では粉体を扱うことが多く、科学的な解析能力や理論的理解が求められる。実製造で経験した問題解決事例を紹介し、堅牢な工程の確立を解説する。
粉体の特性を圧縮成形性とのかかわりを通して解説する。製剤の物理化学的な側面を理解する。打錠障害の実際を紹介し、発生原因、対処法を解説する。工業化検討、技術移管に関わった経験から、円滑に進めるための重要な工程・着眼点を紹介し、解説する。更に、工業化、技術移管に関わる文書、ルール作りについても具体例を挙げ、解説する。
- 固形製剤における単位操作の意味と錠剤品質への繋がり
- 造粒/乾燥/整粒、混合、打錠
- 圧縮成形機の機差による溶出挙動 (カプセル剤における事例)
- 主薬および副原料 (一次粒子) の物性と錠剤品質に影響する要因
- 粒子径/粒度分布、結晶性、結合性、吸湿性、帯電性、滑沢性
- メカノケミカルストレスによる結晶性変化による影響
- 打錠用顆粒 (二次または三次粒子) の粉粒体特性と錠剤の物性
- 流動性
- 混合均一性
- 重量均一性
- 含量均一性
- 溶出性
- 硬度
- 崩壊性
- 打錠の機構
- 圧縮成形のメカニズム
- 打錠条件セッティング時の特性 (錠剤重量vs打錠圧VS引張強度)
- Tooling
- 杵形状
- 材質/表面改質
- 線径/深度のデザイン
- 杵臼のクリアランス
- 打錠障害の発生と防止対策
- Capping、lamination、sticking、chipping、mottling、硬度低下
- 打錠用粉粒体に帰されるべき特性
- 臼壁面残圧/応力緩和/塑性変形
- 製剤化工程におけるトラブル事例からlesson&learnings
- 工業化または技術移管時のスケールアップまたはダウンによる影響
- 品質管理項目、工程管理項目、改善、ベリフィケーション
- 今日的製造管理技術の動向
- リスクマネージメントと堅牢な工程の確保
- 申請書の製造方法記載と現実的な運用
- PAT
- Enhanced QbD