カーボンナノチューブの樹脂・溶媒への分散技術と分散状態の評価

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プログラム

第1部 市販CNTの液中分散・評価技術

(2018年8月29日 10:00〜11:30)

 近年、利用可能となった多種類のCNT市販品は各々異なっていて、用途開発を進めるにはその特徴をつかむことが重要です。本講演では、CNTの特徴に応じた液中分散技術および分散体評価技術について解説します。

  1. 様々な市販CNTの特徴
    1. 初期特性
      • 単層CNT
      • 多層CNT
    2. 特徴に応じた用途開発および分散方法
  2. 分散体評価技術
    1. 分散体形態 (顕微鏡観察)
    2. 分散体形状およびサイズ (フロー型画像解析法)
    3. 分散体サイズ (遠心沈降法)
    4. 分散液の粘度
    5. 分散液のレオロジーと塗工性
    6. 分散液の電気特性 (液導電率)
    7. CNT有効長 (遠赤外分光法)
    8. CNTおよびCNTバンドル間の空間評価
      • ガス吸着法
      • ポロシメータ法
  3. 各種評価パラメータの相関

第2部 カーボンナノチューブの分散剤フリーの剥離解繊分散プロセス

(2018年8月29日 12:10〜13:40)

 分散の定義、粉砕と解繊、剥離、乳化の違いを理解することが大切。高速のステーターローター型の撹拌機があるが、基本は乳化に適応される。乳化には界面活性剤が使用されるため、機械力はそれほどいらない。活性剤が多量にあれば、手攪拌程度でも、油を可溶化させることができる。いくら、界面活性剤を多量に入れても、固体粒子を溶媒に溶かすことはできない。  そこで開発した美粒システムの考え方と制御方法を説明する。重要なのはそれによって、今までできなかった水だけのCNTの解繊ができたこと、論文の為の情報でなく、量産可能、かつ費用対効果を生み出す情報を提示する。

  1. 分散の定義と乳化
  2. 解繊と剥離の違い
    1. 濡れとせん断
    2. 縦 (インパクト) と横 (せん断) の比率制御
  3. 分散剤フリー、水のみでのCNTの解繊
  4. 分散プロセスを最適化するためのポイント
    1. 溶媒の種類 (粘度、密度、沸点、張力)
    2. CNTの種類と特性
    3. ユーザの仕様と目的
    4. ユーザの費用対効果

第3部 カーボンナノチューブの分散状態の評価方法

(2018年8月29日 13:50〜15:20)

 カーボンナノチューブやグラフェンの分散状態を評価できる絶対的な手法はありません。そこで、複数の評価法を用いて総合的に判断することになります。また、評価対象となるサンプルの作製にも注意が必要です。例えば、顕微鏡用サンプルでは試料作製時の凝集、散乱法では試料に含まれる不純物が評価結果に大きく影響します。  講演では、一般に用いられる測定法や最近我々が開発した新奇測定法を対象に、これらの注意点を説明します。

  1. 「理想的な」ナノカーボンの分散
    1. 理想的な構造
    2. 理想的な孤立分散
  2. 市販ナノカーボンの分散
    1. 形状の影響
    2. 欠陥の影響
    3. 不純物の影響
  3. 汎用分散評価法
    1. 各種顕微鏡
    2. パーコレーション閾値
    3. 紫外 – 近赤外吸収分光
    4. レイリー散乱とミー散乱
  4. トワイライト蛍光顕微鏡
    1. 液中分散ナノカーボンの観察原理
    2. 顕微鏡の構成
    3. 観察条件の最適化
    4. 観察例1:超音波照射
    5. 観察例2:還元反応

第4部 カーボンナノチューブの産業応用に向けた取り組み

(2018年8月29日 15:30〜17:00)

  1. SWCNT の量産技術開発
    1. スーパーグロース法によるSWCNT (SGCNT) 合成
    2. スーパーグロースカーボンナノチューブ (SGCNT) の特長
    3. 産業に向けた取り組み
    4. 日本ゼオンにおけるCNT事業展開
  2. スーパーグロースSWCNT複合材料開発
    1. 分散手法とCNT分散性
    2. CNT複合材料の物性

会場

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141-0031 東京都 品川区 西五反田2-29-5
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