本セミナーでは、自動運転の要素技術について取り上げ、自動運転時のドライバ状態推定、自動運転異常時のドライバの応答評価、自動運転に関わる法規制など、スムーズで安全な運転権限移譲の実現へ向けた研究事例と課題について詳解いたします。
(2018年8月28日 10:15〜11:45)
自動運転の実現に向けてヒューマンファクターの課題を概説します。交通事故の削減等を目的として、自動運転の実用化に対して期待が高まっています。一方、出発から到着まで全行程での完全自動運転システムの実用化は未だ先であり、部分的な自動運転機能に対しては、手動運転に比べてドライバーにとって負担の軽減等になっているのかという懐疑的な見方もあります。このような疑問に答えるためには、ヒューマンファクターの課題解決が必要不可欠です。 本セミナーでは、自動運転システム使用時のヒューマンファクター課題を説明すると共に、解決に向けた研究事例の一端を紹介します。
(2018年8月28日 12:30〜14:00)
自動運転の実現に向けた技術開発が盛んになっています。それぞれの要素技術は徐々に高性能となり、完全自動運転の実現も間近である、という印象を受けるかも知れません。しかし、実現の前に、解決しなければならない課題が多く存在します。その中で、とりわけ、ヒューマンファクターの問題は非常に重要であると考えます。 本講座では、自動運転のヒューマンファクターの中でも、「依存」と、システム破綻時におけるドライバ状態に特化して、これまで行ってきた研究について紹介します。重要な問題であるにも拘らず、現在先行研究が少ない研究であるため、今後の「真に安全な」自動運転の設計や考え方に役立つことを期待します。
(2018年8月28日 14:10〜15:20)
自動運転はドライバの運転を補助する安全技術であり、自動運転中であっても、常に緊張感をもっていなければならない。そこで、自動運転を解除して、手動運転に切り替わったときの応答について評価する。また、自動運転時のドライバの意識の低下を検知し、注意喚起をするシステムが開発できれば事故を減らすことができる。そのための生理指標として、瞳孔径、瞬目、視線移動などを測定し、認知時間、車両応答などの観点から考察する。自動運転車に予期せぬ故障等が生じた場合、事故を起こさないため、認知時間、反応時間を視覚やエンジン音、道路形状をパラメータとして、計測し、評価する。
(2018年8月28日 15:30〜17:00)
本セミナーでは、実用化のための法的課題と現在の議論状況、今後の展望を試みる。 警察庁、国交省、経産省の下にそれぞれ法律家を交えて設置された会議の議論動向を追い、システム責任に関する工学と法学の溝と架橋の必要性を指摘し、技術者と法律家の対話に向けた一手法としての模擬裁判の実験を紹介する。