第1部 高周波対応フッ素樹脂基板における接着性向上・低伝送損失化
(2018年8月29日 10:30〜12:00)
本講座では、フッ素樹脂とはどんなものか?プラズマとは何か?から説明を始めますので、予備知識がない方でも気楽にご聴講頂けます。様々な樹脂の接着性向上を可能とするプラズマ処理ですが、フッ素樹脂に対しては単にプラズマ処理してもほとんど効果がありません。
そこで、プラズマ処理+αの技術をご紹介し、フッ素樹脂であっても接着性を向上できる手法を学んで頂きます。また、高周波用プリント配線板としてフッ素樹脂を利用する上で注意すべきポイントについても解説します。
- これまでの研究成果
- ゴムとフッ素樹脂の接着
- 銅めっき膜とフッ素樹脂の接着
- 金属インク膜とフッ素樹脂の接着
- 金属ペースト膜とフッ素樹脂の接着
- 接着強度のまとめ
- フッ素樹脂
- フッ素原子の特徴 (低比誘電率、低誘電正接)
- フッ素樹脂の特徴 (低接着性、低比誘電率、低誘電正接)
- フッ素樹脂の種類 (非溶融性と溶融性)
- フッ素樹脂の用途
- フッ素樹脂の表面改質技術と先行研究
- プラズマ処理+α
- プラズマとは
- ガス種 (接着性向上、低伝送損失化)
- 圧力 (接着性向上)
- プラズマ + 熱 (接着性向上、低伝送損失化)
- 表面グラフト重合 (接着性向上、低伝送損失化)
- 今後の展望
第2部 低伝送損失基板を実現する低誘電・高接着ポリイミド樹脂「PIAD」について
(2018年8月29日 12:45〜14:15)
- 開発背景
- プリント基板の技術トレンド (高周波対応)
- 伝送損失とその改良方針について
- プリント基板材料 (硬化性材料) の主要成分について
- ポリマー設計
- ポリイミドについて
- ポリマー設計方針 (加工性改良)
- ポリマー設計方針 (低誘電化)
- 新規ポリイミド樹脂「PIAD」
- 製品概要
- 樹脂特性
- 新規ポリイミド樹脂「PIAD」応用例
- 低誘電カバーレイ、ボンディングシート
- 低伝送損失FCCL
- 平滑銅箔対応低誘電プライマー
第3部 ミリ波応用製品の開発動向と高周波基板への要求条件
(2018年8月29日 14:30〜16:00)
近年ミリ波レーダが軽自動車にも搭載される等普及が進んでいる。また第5世代の無線通信ではミリ波が注目されるなど、さまざまのシーンにミリ波製品が使われるようになることが期待されている。ミリ波製品の近年の状況や、そこで使われている技術の解説を行い、今後の製品に要求される部品や材料に対する要求条件を明確化していく。
本講座はこれからミリ波製品への適用を考えている部品メーカや材料メーカのエンジニアをはじめとして、ミリ波製品に興味を持つ初心者を対象としている。
- ミリ波応用
- ミリ波センサー
- 自動車の周辺の障害物を検知して交通事故の低減や自動運転に向けてミリ波レーダ応用が進んでいる。
また道路側にミリ波レーダを設置する応用も考えられている。
さらに自動車や道路への応用以外にも、セキュリティセンサーやさまざまな応用へも期待されている。
- ミリ波通信
- ミリ波帯は他のマイクロ波帯に比べて広帯域の確保が容易であり、数Gbps~数10Gbpsクラスの非常に高速なデータレートの実現が可能である。
どのようなシーンでミリ波通信が有効であるか、どのような技術が必要となるかを解説する。またWi-GigやE-band通信、第5世代のミリ波通信の近年の状況についてもレビューしていく。
ミリ波回路技術
- ミリ波製品を実際に実現するにはミリ波MMICやアンテナ等の回路やミリ波での低損失な基板材料が必須となる。
最近の技術動向や今後の高周波基板材料の要求条件等について述べる。