第1部 樹脂・ゴム材料におけるブリード・ブルーム現象の解析と対策
(2018年8月22日 10:00〜15:20)
樹脂やゴムを製品として実用化するときに、その主成分となるポリマー以外に添加剤が各種配合設計されて製品となる。この時添加された添加剤は、ポリマーの中に安定していればブリードアウトという品質問題は起きない。例えば、帯電防止剤を用いて樹脂の帯電防止設計をしたときに、帯電防止剤が表面にブルームしてくれば、帯電防止性能は問題ないが表面の品質は損なわれる。もし高級外観を狙ったCMFデザインを指向するのであれば完全にブルームしない帯電防止設計が要求される。写真フィルムの帯電防止性能では、ブルームにより乳剤性能が阻害される問題が起きている。すなわち、ある目的を達成するための添加剤が、他の機能を阻害することにより問題となるのがブリードアウトの品質故障である。対策手法が科学的に考えると二律背反となる場合が多く、問題解決には技術的発想が重要となる。
- 高分子の基礎事項整理
- 高分子の構造
- 高分子の相溶
- 高分子のプロセシング
- 写真フィルムの帯電防止設計の体験から
- イオン導電性高分子を用いた帯電防止フィルムで発生した問題
- (1) を解決するときに発生した問題
- 問題解決法
- 電気粘性流体の増粘問題
- 電気粘性流体とは
- ゴムケースに封入した電気粘性流体で発生した問題
- 電気粘性流体の増粘問題の解決法
- ブリードアウト問題の考え方
- 評価解析手法
- 問題のまとめ方
- 対策の練り方
添加剤の溶解度・拡散係数を応用したブリード制御
(2018年8月22日 15:30〜17:00)
- ブリードアウトの熱力学
- プラスチックの種類及び用途
- プラスチックの分子構造およびモルフォロジー
- プラスチックの分子構造
- プラスチックのモルフォロジー
- プラスチック添加剤の改良目的と添加剤の種類
- 添加剤の溶解度と拡散係数
- 添加剤の液体溶媒とプラスチックへの溶解度の違い
- 添加剤の前処理による影響
- 添加剤のプラスチックの違いによる影響
- 添加剤分子の大きさや長さの影響
- プラスチックの結晶度による影響
- 添加剤のブリードアウトの原因
- ブリードアウトの理論および測定法
- プラスチック中での添加剤の溶解性の理論
- フィックスの拡散法則
- プラスチックフィルムやシートで拡散係数を求める方法
- Mass Uptake Experiments
- 添加剤添加フィルムの無添加フィルムへの移行から求める
- 相溶化技術の応用
- ブリードアウト現象の制御