第1部. 腹腔鏡手術で出血部位、腹膜欠損部位、補強部位に外科材料を ピンポイントに挿入するデバイスの開発
(2018年9月14日 10:00〜12:00)
腹腔鏡手術ではポートと呼ばれる筒を通して外科材料 (ガーゼ、止血材、癒着防止材、メッシュなど) をいれるため、それに適した材料の形状やデバイスの開発が必要である。本講座では腹腔鏡手術で外科材料を挿入するときの問題点を整理するとともに、演者が行っているデバイス開発の経緯とその特性について紹介する。
- “そのままでは入らない”
- 腹腔鏡手術で外科材料を挿入するときの問題点
- 5mmポートを多用する手術の増加
- “捩じって入れる” – 5mmポートから挿入する技術の開発 -
- トルネード法 (ガーゼ、サージセル)
- トルネード法から商品化:トロックスⅡD カートリッジ
- “折って入れる” – トルネード法からの発展 -
- 癒着防止材 (セプラフィルム) 、止血材 (インテグラン)
- 折って入れることの利点
- “先まで運ぶ” – デバイスの開発 -
- シリンジ状デバイスの開発:Sumrai – D
- Sumrai – Dをつかった外科材料挿入の実際
- “腹腔内で広げる” – 自己拡張型形状の開発 -
- Origami工学・ミウラ折りから発想:Chevron Pleats法
- Chevron Pleats法をつかった外科材料挿入と展開の実際
- シンプルさを求めて…
第2部. 産婦人科手術における癒着防止材、止血材使用時に起こるトラブル (飛散、貼り直し、機器への付着等) の実際と臨床ニーズ
〜産婦人科手術とくに帝王切開術における癒着防止材、止血材使用について〜
(2018年9月14日 12:45〜14:45)
- 帝王切開術増加の背景 (周産期医療を取り巻く環境の変化)
- 出産年齢の高齢化
- 女性の喫煙
- 性感染症
- defensive medicine
- 帝王切開術減らすための方法
- VBAC
- 外回転術
- 帝王切開術の合併症
- 妊娠に伴うリスクの増加
- 産科合併症の増加
- 癒着による影響
- 次回妊娠における合併症の増加
- 帝王切開術の手技の工夫
- 膣洗浄
- 皮膚切開
- 膀胱剥離
- 子宮筋層切開
- 胎盤娩出
- 子宮筋層縫合
- 腹腔内洗浄
- 腹膜縫合
- 皮膚縫合
- 癒着による影響
- 癒着の発生頻度
- 長期的影響
- 次回手術への影響
- 癒着防止方法
- 癒着防止材
- 使用の効果
- 使用頻度
第3部. 消化器 (特に肝胆膵) 手術の癒着防止材・止血材の実際と臨床のニーズ
(2018年9月14日 15:00〜17:00)
肝臓・膵臓は、消化液を産生する臓器であり、切除した臓器断端から漏出した消化液は、わずかであっても他の臓器を損傷させるリスクがある。また肝胆膵領域疾患は高齢化社会の中で増加しているが、その治療成績は向上しておらず、切除範囲が大きく侵襲度の高い手術が今も続けられている。より安全で確実に手術を行うために肝胆膵外科医が使う手術材料について実際の手術画像や最新の知見とともに、系統的に解説し、さらに今後期待される手術材料について臨床現場からの声を紹介する。 。
- 消化器・肝胆膵疾患の特徴と今後の展望
- 消化管領域と肝胆膵領域の臓器特性
- 増え続ける肝胆膵領域の悪性疾患患者
- 肝胆膵領域・肝胆膵外科の特徴
- 肝にはどのくらいの再生力があるのか?
- 膵液瘻はなぜ致命的なのか?
- 胆汁漏とその予防と対処
- 肝胆膵外科手術における手術材料
- 肝・膵実質の切離
- 肝・膵実質の切離面からの血液・胆汁・膵液漏れへの対策
- 消化管切除吻合後の吻合部の補強
- リンパ節郭清や剥離後の剥離面からのリンパ漏への対策
- 再手術への備え・癒着防止への配慮
- 肝胆膵外科の現場が手術材料に求めるニーズとは?
- 手術用シーラント材に求められる性質と強度
- 使用時トラブル (飛散、貼り直し、機器への付着等) の実際
- 外科医にとって“使いやすい”とは?