(2018年9月7日 10:00〜11:30)
核酸医薬のポテンシャルを最大限に活かすためには、大量合成法の確立、核酸化学の発展、さらには臓器分布を制御するデリバリー技術の開発など、多方面での技術革新が必要となる。本講演では、とくに核酸医薬のデリバリー技術に焦点を当て、基礎から注目すべき最新のアプローチに至るまでを概説する。
(2018年9月7日 12:15〜13:45)
アプタマーは核酸医薬の一種であり、塩基配列依存的に固有の三次元構造を形成し、標的分子に強固に結合することで、その機能を制御する一本鎖のオリゴヌクレオチドである。これまでに、アプタマー医薬品としては、加齢黄斑変性症治療薬としたマクジェンが承認されている。 本講演では、アプタマーの特性、医薬品化に向けたプロセスを概説する。また、マクジェンに続くアプタマー医薬品の実現に向け、アプタマー創薬の課題と展望について解説する。
(2018年9月7日 14:00〜15:30)
siRNA (small interfering RNA) やmiRNA (microRNA) は、RNA干渉により相補的な配列を含む標的mRNAの遺伝子発現を抑制することから、医薬候補化合物として注目を集めている。しかし、これらの機能性短鎖RNAは、細胞膜透過性が低く、またヌクレアーゼによる分解を受けるため、十分なRNAi効果が得られない。加えて、配列相同性が高い場合には標的以外の遺伝子発現を抑制する (オフターゲット効果) ため、医薬品として臨床応用するにあたり、これらの問題点を克服する必要がある。 我々は、siRNAやmiRNAが有する特徴的な構造である3’末端2塩基突出部位の化学修飾により、遺伝子発現抑制能を低下させることなくヌクレアーゼ耐性を改善できることを見出した。また、本知見を活かして細胞膜透過性の向上やオフターゲット効果の回避に繋がる高機能化技術を開発した。本講演ではこれらを中心に紹介する。
(2018年9月7日 15:45〜17:15)
アンチセンス核酸医薬の作用原理及び最新の研究開発動向を概説するとともに、鍵となる技術 (核酸の化学修飾やデリバリー技術) について、実例をあげて紹介する。