異種材料接着のメカニズムと接合部評価

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本セミナーでは、接着の基礎から解説し、樹脂と金属といった異種材料を接着する手法、界面の密着度の評価について詳解いたします。

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プログラム

第1部 異種材料接着 (樹脂/金属, 樹脂/樹脂) のメカニズムと接着技術事例

(2018年9月12日 10:00〜14:50)

 ゴム・樹脂材料の多くは、単独では強度が弱いため補強して使用される。金属、セラミックス、繊維および木材などの材料はエラストマー・樹脂材料の有効な補強材であるが、この補強化技術の一つに接合、接着がある 。工業機能部品、電子電気部品、塗料部品などプラスチックやタイヤ、ベルト、防振ゴム、免震ゴムおよび工業機能ゴム製品などの多くのもの作りは接合技術を用いて製造されている。もの作りでは製品設計、生産加工技術そして機能性を発現させるために接合技術が重要な役割を担っている。  本講座では、 異種材料の接合について、主として材料の表面界面制御が接合の信頼性を高める上で重要であることを説明し、実践的な内容と考え方を解説する。シランカップリング剤の反応に影響を与える因子とその評価方法について解説した上で、洗浄工程における重要性をXPS、接触角測定、FT-IR測定によって材料の表面を分析し、材料表面状態に及ぼすシランカップリング剤の反応条件と接着力の影響、シランカップリング剤の金属表面処理方法について事例を交えて紹介する。  さらに、接着メカニズムを理解する上で、接合物界面をAFMとFT-IR を複合化した分析装置 (AFM-nnoIR) (赤外スペクトル、赤外吸収マップ、AFM像測定) そしてAFMと局所熱分析を複合化した分析装置 (AFM-TA) を用いてのナノオーダーでの局所分析およびもの作りに必要な接合技術にも言及したい。

  1. 接着技術の必要性
    1. 材料の変遷と複合材料の活用
    2. 接着技術の現状と課題
  2. 接着過程における諸因子
    1. ポリマーの流動と接着
    2. 界面の安定化
    3. 接着における界面結合力
    4. 接着物の環境要因による剥離現象の解明
  3. 接着の評価解析に利用される分析機器の特徴と分析事例
    1. 表面分析方法の分類
    2. 各種表面分析機器の特徴と活用と分析方法
    3. 接着界面の安定と界面分析事例
    4. 樹脂と金属の接着界面の劣化とはく離要因の関係
    5. ゴムと金属の接着界面の耐久性評価
  4. 接着安定性に及ぼす金属の表面性状の影響
    1. 金属の前処理方法の種類
    2. 洗浄による表面状態とその表面の特性
    3. 金属酸化物の形成とシランカップリング剤の反応性
  5. シランカップリング剤の反応性
    1. シランカップリング剤の機能
    2. シランカップリング剤の反応性
    3. シランカップリング剤の反応量の測定方法
    4. AFM – nanoIR, AFM – TAよる表面界面局所赤外分析と熱分析
  6. 異種材料の接着技術事例
    1. ポリマーと金属の接着
    2. ポリマーと金属の射出成型接着
    3. ポリマーとポリマーの接着

第2部 異種材料の接着接合部における応力解析について

(2018年9月12日 15:00〜17:00)

 異材接合材料では、接合界面端部近傍の力学的特性を把握することが重要となる。本講演では、異材接合界面端部近傍の力学的パラメータに基づく強度評価について解説する。あわせて、異材接合体強度の高度化手法や界面の信頼性評価に関する研究例を紹介する。

  1. はじめに
    1. 異材接合界面端近傍における力学的問題点
    2. 異材接合界面端近傍の力学的特性評価
    3. 異材接合構造の設計への展開
  2. 異材接合界面端部の力学的特性
    1. 異材接合体の力学的モデルと理論熱弾性解析
    2. 接合界面端における特異場パラメータ
  3. 異材接合体の引張強度と破壊様式
    1. セラミックス/金属接合体の破壊様式の解析
    2. セラミックス/金属接合体強度および破壊様式に及ぼす界面端形状の影響
  4. 界面端近傍の残留応力の解析
    1. 解析モデルの妥当性と解析解
  5. 異材接合体強度の高度化手法
    1. 応力特異性指数に基づく異材接合体強度の高度化
  6. まとめと今後の展開

会場

株式会社 技術情報協会
141-0031 東京都 品川区 西五反田2-29-5
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