質感情報の認知・処理メカニズムと製品技術への展開

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近年、「質感」が心理学や脳科学における大きなテーマの一つとなりつつある。質感は、英語圏では物体の材質 (material) の知覚を指すことが多いが、日本語では、映像の質感とか楽器の音の質感というように、より広い意味で使われる。それは、複雑で捉えがたい感覚信号のパタンから何らかの安定した知覚表現を取り出す能力と関連している。この能力は、脳のどのような情報処理に支えられているのだろうか。  本講演では、その謎に挑む基礎研究の最新成果を様々なデモや錯覚を交えて紹介するとともに、それらが指し示す質感認知の理論が通信から工芸まで様々な技術分野にどのように応用されうるかを議論する。

  1. 基礎編
    1. 視覚情報処理の概要
      • 画像の符号化
      • 視覚特徴の解析
      • 低次・高次視覚皮質
      • 意思決定
      • 注意と意識
    2. 質感研究の枠組み
      • 質感の物理と知覚
      • 光学
      • コンピュータ・グラフィクス
      • ヒューリスティクス
    3. 画像統計量とその情報処理機構
      • 自然画像の統計的規則性
      • 生態光学と画像統計量
      • テクスチャ解析
      • 統計的把握
    4. 質感研究の事例
      • 光沢
      • 透明感
      • 凹凸
      • 照明の役割
      • 嗜好と嫌悪
      • 錯覚の利用
  2. 実績編
    1. 画像特徴
      • 視覚情報処理と画像特徴
      • 色空間
    2. 質感の解析
      • 心理物理学実験の基礎
      • 計測方法
      • 自然画像の扱い
      • 基本的画像処理
      • 眼球運動
    3. 質感の操作
      • 画像統計量の操作
      • テクスチャ合成
    4. より先進的な技法
      • ディープラーニング
      • 生成モデル

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん
140-0011 東京都 品川区 東大井5丁目18-1
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