第1部. 「変形性関節症治療薬開発の為の適切な臨床試験デザイン構築のポイント」
(12:15~14:15)
2007年日本は総人口に対して、65歳以上の高齢者人口が占める割合の高齢化率が21%を超え、超高齢社会に入った。その後も高齢化率は増え、昨年27.7%に達した。その中、変形性腰痛症、膝関節症や股関節症、さらには骨粗鬆症などの運動器疾患患者は4700万人を数えると報告され、その予防・治療は急務である。
本講演では変形性膝関節症を主に取り上げ、その病態、それにかかわるターゲット分子、動物モデル、創薬状況、薬物療法の有効性評価、さらに臨床試験プロトコール構築に向けた内容をお話ししたい。
- はじめに
- 変形性関節症の分類
- 患者数
- リスクファクター
- 診断
- 治療効果の現状
- 変形性膝関節症
- 病態
- 痛みの発症機構
- 疼痛関連ターゲット分子
- 混合痛としての変形性膝関節症
- 変形性膝関節症に伴う疼痛の発症や制御機構を再考
- 変形性膝関節症の治療薬や開発の流れ
- 変形性膝関節症治療薬の臨床効果と作用機序を再考
- アセトアミノフェン、NSAIDs、COX2阻害剤
- ステロイド
- オピオイド
- ヒアルロン酸
- デュロキセチン
- 変形性膝関節症治療薬の開発の流れ
- 現在市場にある変形性膝関節症治療薬
- ドロップした化合物の解析
- 新規化合物の位置づけ
- 変形性膝関節症治療薬開発のための薬効薬理試験やその選定
- 各種動物モデルについて
- 薬効の評価法やエンドポイント
- 動物試験における薬効から臨床試験への橋渡し
- 変形性膝関節症治療薬の臨床試験
- NGF抗体薬の臨床試験プロトコールとプライマリーエンドポイント
- 病態進行遅延薬における臨床試験プロトコールとプライマリーエンドポイント
- 有効性の指標のための関節バイオマーカーの取り組みの現状
- ターゲット
- メカニズム
- アウトカムバイオマーカーの面より
- 創薬の現状及び展望
- 現在の創薬状況
- 今後の創薬の方向性
第2部. 「変形性関節症の診断と求められる新薬像」
(14:30~16:30)
「変形性膝関節症」は、加齢によって生じる病気で、男性よりも閉経後の女性に多く見られます。膝の内側関節が変形して擦り減り、数年かかって少しずつO脚となり、膝の内側に痛みが生じます。進行すると軟骨を支えている骨も削れて歩きにくくなります。健康寿命を延ばすためには今後は膝の再生術が重要となってきます。
iPS細胞の応用が軟骨再生の分野でも始まっています。また培養軟骨移植や滑膜幹細胞移植などの臨床研究も進んできました。このような膝再生技術を確かなものにするための土台を作るのが膝骨切り術です。将来は膝関節の軟骨再生、半月板再生や靭帯再建などと組み合わせることによりさらに機能的な真の意味での膝関節の再生が可能となると考えられます。
- 変形性膝関節症の原因
- 変形性膝関節症の病態
- 装具による治療
- NSAIDS
- オピオイド製剤
- ヒアルロン酸
- サプリメント
- 人工膝関節置換術
- 膝関節を温存する膝周囲骨切り術
- 膝関節の軟骨再生の現状
- 真の膝関節再生治療に向けての展望
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