本セミナーでは、ナノスケールでの熱輸送を理解・制御するフォノンエンジニアリングについて、基礎から、熱伝導制御・熱電変換応用・エネルギーハーベスティングへの応用まで、わかりやすく解説いたします。
(2018年8月8日 10:30〜12:15)
スマート社会の実現に不可欠なエネルギーハーベスティングやデバイスの放熱問題の意識の高まりを受け、ここ数年で熱エネルギーの取り扱いに大きな関心が集まっている。ナノ構造を含んだ材料・デバイス中の熱伝導はフーリエ則で記述できず、弾道性などのナノスケール特有の輸送特性を考慮しなければならない。近年、熱伝導をナノスケールの視点から理解したうえで材料や構造を設計することで、材料性能を飛躍的に向上させることが可能になってきた。 本講演では、ナノスケールでの熱伝導 (フォノン輸送) を巧みに取り扱うフォノンエンジニアリングの基礎をわかりやすく解説し、フォノニック結晶ナノ構造を用いた系を取りあげながら、より高度な熱伝導制御と熱電変換応用などへの取り組みを紹介する。
(2018年8月8日 13:00〜14:45)
熱電材料は、固体素子で熱を電気に変換し得て、今後のIoT社会を支える無数のセンサーの自立電源としての期待も大きい。 本講演では、そうした熱電材料における、フォノンエンジニアリングによる高性能化手法の、基礎からスペクトル学的理解の最前線を紹介・解説する。また、パワーファクター増強の新原理、広範囲実用化への課題と展望、そして熱電材料に限らない、放熱材料、断熱材料などの開発にも活用できる先端的なナノ・ミクロスケールの熱伝導率計測手法も紹介する。
(2018年8月8日 15:00〜16:45)