フォノンエンジニアリングによる熱伝導制御と熱電変換材料への応用

再開催を依頼する / 関連するセミナー・出版物を探す
会場 開催

本セミナーでは、ナノスケールでの熱輸送を理解・制御するフォノンエンジニアリングについて、基礎から、熱伝導制御・熱電変換応用・エネルギーハーベスティングへの応用まで、わかりやすく解説いたします。

日時

開催予定

プログラム

第1部 フォノニック結晶ナノ構造による熱伝導制御と熱電変換応用

(2018年8月8日 10:30〜12:15)

 スマート社会の実現に不可欠なエネルギーハーベスティングやデバイスの放熱問題の意識の高まりを受け、ここ数年で熱エネルギーの取り扱いに大きな関心が集まっている。ナノ構造を含んだ材料・デバイス中の熱伝導はフーリエ則で記述できず、弾道性などのナノスケール特有の輸送特性を考慮しなければならない。近年、熱伝導をナノスケールの視点から理解したうえで材料や構造を設計することで、材料性能を飛躍的に向上させることが可能になってきた。  本講演では、ナノスケールでの熱伝導 (フォノン輸送) を巧みに取り扱うフォノンエンジニアリングの基礎をわかりやすく解説し、フォノニック結晶ナノ構造を用いた系を取りあげながら、より高度な熱伝導制御と熱電変換応用などへの取り組みを紹介する。

  1. ナノスケールフォノン輸送と熱伝導
    1. なぜ「熱」が重要なのか?
    2. ナノスケールの熱伝導は何が違うのか?
    3. 高効率熱伝導制御のための基礎知識
  2. フォノンエンジニアリングの基礎
    1. フォノンの粒子的描像に基づく熱伝導制御
    2. フォノンの波動的描像に基づく熱伝導制御
  3. ナノ構造による熱伝導制御の応用例
    1. 熱電変換材料開発への応用
    2. 熱電変換の基礎
    3. ウェハ型Si熱電変換デバイス
    4. エネルギーハーベスティングへの展望

第2部 フォノンエンジニアリングによる熱電材料の高性能化

(2018年8月8日 13:00〜14:45)

 熱電材料は、固体素子で熱を電気に変換し得て、今後のIoT社会を支える無数のセンサーの自立電源としての期待も大きい。  本講演では、そうした熱電材料における、フォノンエンジニアリングによる高性能化手法の、基礎からスペクトル学的理解の最前線を紹介・解説する。また、パワーファクター増強の新原理、広範囲実用化への課題と展望、そして熱電材料に限らない、放熱材料、断熱材料などの開発にも活用できる先端的なナノ・ミクロスケールの熱伝導率計測手法も紹介する。

  1. 熱電材料
    1. 背景
    2. 基礎原理
    3. 現状と応用
  2. 熱電材料の高性能化原理 (パワーファクター増強)
    1. バンドエンジニアリング
    2. 磁性の活用
    3. ナノコンポジット化
  3. 熱電材料の高性能化原理 (フォノンエンジニアリング)
    1. 基礎原理
    2. ナノ構造制御手法
    3. フォノン散乱のスペクトル学的理解
    4. 最先端の高性能材料
    5. フォノンエンジニアリングの課題と展望
  4. 先端的なナノ・ミクロスケールの熱伝導率計測手法
  5. IoTなどへ向けた熱電材料の実用化

第3部 電子構造とフォノン分散を考慮した物性理解と新規熱電材料の設計指針

(2018年8月8日 15:00〜16:45)

  1. Introduction
    1. 熱電材料に関する基礎知識
    2. 熱電材料研究における問題点と電子構造およびフォノン分散の重要性
  2. 熱電材料設計指針
    1. スペクトル伝導度と線形応答理論
    2. 材料設計指針構築
      1. 電子構造因子と熱伝導度因子
      2. 重要なエネルギー領域とモデル計算
      3. 化学ポテンシャルの温度依存性
      4. 格子熱伝導度を低下させる因子
  3. 高性能熱電材料開発 ~#1 電子構造による材料スクリーニングと不純物フォノン散乱~
    1. Al – Mn – Si
    2. MnSiγ
    3. FeVAl
    4. FeVSb
  4. 高性能熱電材料開発 ~#2 電子構造の建設的変調と不規則構造・非調和振動~
    1. MnSiγ
    2. Si – Ge
  5. 新たな取り組み
    1. エネルギー選択散乱効果
    2. キャリア濃度自己変調効果
  6. まとめ

会場

株式会社 技術情報協会
141-0031 東京都 品川区 西五反田2-29-5
株式会社 技術情報協会の地図

受講料

複数名同時受講割引について