第1部 マテリアルズ・インフォマティクスを活用した事例と高分子材料設計の展望
(2018年8月10日 10:00〜11:30)
近年、各所でMaterials Informaticsが取り沙汰されている。Materials Informaticsは米国のMaterials Genome Initiativeを発端に世界中に広がった材料開発の新たな流れであり、材料科学とデータ科学の融合によって材料開発から実用化に要する時間・コストを大幅に削減しようという試みである。
本講演ではMaterials Informaticsの最新動向として、各種材料における活用事例や世界中で整備が進められているデータベースの紹介に加え、今後の更なる活用に向けた課題・展望を紹介する。
- マテリアルズ・インフォマティクス
- マテリアルズ・インフォマティクスとは
- 日本における取組状況
- 諸外国における取組状況
- 材料データベース
- 各国における材料データベースの整備状況
- 代表的なデータベース
- マテリアルズ・インフォマティクスの活用事例
- 無機材料における活用事例
- 有機材料における活用事例
- マテリアルズ・インフォマティクスを活用した高分子材料設計に向けて
- 高分子材料設計への適用の難しさ
- 企業での活用に向けた課題
- 今後の展望
第2部 分子設計・材料設計・プロセス設計のためのデータ駆動型化学
(2018年8月10日 12:10〜13:40)
第4の科学であるデータ集約型研究・開発に期待が高まっている。目的物性・特性を持つ新規分子・材料開発である「何を作るか」から、それを「どう作るか」、そしてそれを安定した品質で生産するための生産制御に関わる課題に迅速かつ効果的に対応するには、多くのデータ、情報の積極的活用が不可欠となってきた。
本講座では、その事例を紹介しつつ、データ駆動型化学の持つ意義と今後を議論したい。
- ケモインフォマティクスとは
- データのモデル化法について
- モデルの逆解析について
- 分子設計の事例紹介
- 医薬品分子設計
- 化学空間の可視化による構造探索
- タンパクと化合物の相互作用空間の可視化と構造探索
- ポリマーアロイを題材とした有機材料の設計
- 輝度向上性フィルムの成分組成とプロセス条件の最適化
- 触媒設計についての事例紹介
- 無機材料について
- 無機材料物性予測
- 結晶系予測
- ケモインフォマティクスを進めるにあたっての環境、データフォーマット、ツールについて
- ソフトセンサー
- 化学プラントの監視のためのソフトセンサー
- ソフトセンサーの構築法
- ソフトセンサーの劣化
- 適応型ソフトセンサーの開発
- ソフトセンサーを用いた制御
- プロセス・インフォマティクス
第3部 機械学習による物質探索と材料開発技術
(2018年8月10日 13:50〜15:20)
- マテリアルズインフォマティクスの学術的背景 – 現状と課題
- 機械学習概論
- 機械学習を活用した仮想スクリーニング技術
- 記述子
- 構造物性相関分析
- 教師あり学習の解析手法及びツール紹介 (R言語を中心に)
- 適用事例の紹介
- ベイジアンアプローチに基づく新規物質・機能材料の同定
- 逆構造物性相関分析
- 機械学習に基づく分子設計の解析技術
- R言語パッケージiqsprチュートリアル
- 最先端の話題
第4部 分子シミュレーションとマテリアルズインフォマティクスを活用した材料設計技術
(2018年8月10日 15:30〜17:00)
- 技術潮流
- マテリアルズインフォマティクスの概要
- マテリアルズインフォマティクスとは
- 設計の流れ
- 適用事例の概要 (1)
- 適用事例の概要 (2)
- 材料設計効率化の課題とアプローチ
- パラメータサーベイにおける課題
- 課題へのアプローチと分子シミュレーション
- マテリアルズインフォマティクスによる設計事例
- 樹脂との密着性を向上させる金属の設計
- はんだの破断伸びを向上させる添加元素の選定
- 薄膜配線の粒界断線を防止する添加元素の選定
- まとめ
- 有効性の確認
- 今後の展望