(2018年7月23日 10:00〜11:30)
- 記憶とにおいイメージの関わり -
(2018年7月23日 12:10〜13:40)
においに関する分子生物学や神経科学の分野では、日本は世界をリードしていますが、人がにおいをどのように認知し、利用しているかということに関する行動科学の分野では、大きな遅れをとっています。しかしながら、我々人間の日常生活を見てみると、においの細かなメカニズムだけを知っていてもあまり役に立ちそうではありません。例えば、経験未熟な幼児は、バラのにおいと糞尿のにおいを区別はできますが、同じくらい好むことが研究によって明らかにされています。世界中の研究者は、人間は日常生活でのにおい経験をもとに、それぞれの人独自のにおい世界を作っていることを「常識」として知っています。 この講演を通じて人間のにおい感受メカニズムを理解することによって、より効率のよい製品を開発したり、人々のにおいQOLの向上につながるアイデアを考えたりすることがより容易になるだろうと期待しています。
(2018年7月23日 13:50〜15:20)
動的な香り成分(揮発成分)の放出挙動を知ることで、ある瞬間の香りに寄与する成分が何か、ある動作を加えた時に主に放出される成分は何かなどの香りのメカニズムに迫ることが期待されます。本講座では「揮発成分の動的評価」の手法をご紹介します。
(2018年7月23日 15:30〜17:00)
様々な素材のにおいは、多くのにおい成分から構成されている。どのような成分から構成されているかは、現在、GC – MS分析技術の進歩によってかなり容易に知ることができる。しかし、含有成分のうちのどの成分が素材の香気に重要な寄与をしているのかを決めることは、容易ではない。 一方、ここ十数年の間に、においの受容の仕組みについて多くの知見が得られている。 この知見を、GC – MSの解析データと結びつけることで、新たな視点からの素材のにおいの特徴の解析が可能となる。この手法について解説する。