第1部 光重合の概要、光開始反応とその増幅
(2018年7月23日 10:00〜11:30)
UV硬化は光開始剤の分解とその後に起こるモノマーの熱化学反応の組み合わせである。光化学反応は原則として「1光子=1化学反応」であるが、複数の化学反応を連結して最初の光反応を増幅することにより、高感度化や影部分のUV硬化が可能となる。これらの新規な感光システムについて述べる。
- UV硬化の基礎
- 光ラジカル重合開始剤
- 構造と特性
- 新規な光ラジカル重合開始剤
- 光塩基発生剤
- 第1級・第2級アミン発生系
- 第3級アミン・強塩基発生系
- カスケード式化学で構築する高感度UV硬化材料
- 酸増殖剤の開発と応用
- 塩基増殖剤の開発と応用
- 連鎖硬化剤の開発と応用
- フロンタル重合系
- レドックス開始重合系
第2部 (ラジカル系の) 光重合開始剤の種類と 特性とその使い方
(2018年7月23日 12:20〜13:30)
本講座では光硬化に使用するラジカル系の光重合開始剤の種類と特徴を説明する。また、各種硬化条件での光重合開始剤の適切な選定および使用方法、光硬化において問題となる硬化阻害要因とその対処法や光重合開始剤に起因する光硬化以外の問題点についても詳しく紹介する。特に、光重合開始剤の光吸収特性を考慮した選定法を紹介する。
- 光重合開始剤を用いた光硬化技術
- はじめに 光硬化とは
- 光硬化の用途
- 光硬化に使用する光の波長
- 感光性組成物
- 光硬化過程と重合開始剤の光反応過程
- ラジカル重合とカチオン重合
- 光硬化特性を決定する因子
- (ラジカル系を中心とした) 光重合開始剤の種類、特性および反応メカニズム
- 光重合開始剤の最適使用法
- 各種硬化条件での最適選定及び最適使用
- 光硬化阻害因子とその改善法
- 2次特性に着目した光重合開始剤の最適選定 – 黄変、臭気、揮発性
第3部 光酸発生剤・光カチオン開始剤および 光塩基発生剤の特長と光硬化
(2018年7月23日 13:40〜14:50)
光酸発生剤・光カチオン開始剤および光塩化発生剤に関して、本稿では一般的な物性の他、使い方や機能面での優位性、取扱い上の留意点などについて、弊社製品での事例を踏まえて解説いたします。
- 光酸発生剤・光カチオン開始剤
- オニウム塩全般について
- それぞれの特色と応用例
- 光塩基発生剤
- 開発の動向について
- 光塩基発生剤の特色と応用
第4部 パーオキサイド系光重合開始剤の 開発とその使い方
(2018年7月23日 15:00〜16:10)
- 有機過酸化物の一般的な特性
- 有機過酸化物の特徴と用途
- 有機過酸化物の熱分解特性
- 有機過酸化物から生成するラジカル
- パーオキサイド系光重合開始剤の特性
- パーオキサイド光重合開始剤の光分解
- ベンゾフェノン骨格パーオキシエステルの特徴
- トリアジンパーオキサイド誘導体の特徴
- パーオキサイド系光重合開始剤による熱フロンタル重合
- 安全な取り扱いについて
第5部 分子カプセルの精密設計と機能開拓
- 新しい重合開始剤や水溶化剤の開発など -
(2018年7月23日 16:20〜17:30)
本講座では、芳香環に囲まれたナノ空間を有する分子カプセルの設計からその合成、構造、機能について紹介する。機能の1つとして、光と熱に強いラジカル重合開始剤の開発とその利用についても紹介する。
- 身の回りの分子カプセル
- 配位結合を利用した分子カプセル
- 分子設計と合成、構造
- 分子捕捉能と分子識別能
- ラジカル重合開始剤の物性制御
- π – スタッキングを利用した分子カプセル
- 分子設計と合成、構造
- ナノカーボンの内包による水溶化
- 金属錯体の内包による水溶化