本セミナーでは、高圧水素バリア材の設計と性能評価について詳解いたします。
(2018年7月25日 10:30〜12:00)
CFRP製高圧水素貯蔵容器では、CFRP層の厚肉化に伴い圧力容器の重量が増加し、圧力容器のコストも増加するという欠点が問題となる。 さらに、内圧を受ける円筒では、外径/内径比が大きくなっていくと厚肉による効果はそれほど大きくなく、材料を無駄に使用することになる。 CFRP製圧力容器の補強方法は種々考えられるが、軸対称形状に軸対称負荷を受ける圧力容器の補強方法には制約がある。 本講演では、CFRP製圧力容器の破裂圧力向上と軽量・低コスト化を実現するために、既存のCFRP製圧力容器を二つの方法で補強し、その合理性を実験とFEM解析の両面から検証した結果について紹介する。
(2018年7月25日 12:50〜14:20)
水素脆化とは水素と応力により材料が脆くなる現象であり、近年、水素脆化に対する知見が強く求められています。例えば、環境問題を背景に、輸送 機器の軽量化のため材料の高強度化が求められていますが、材料を高強度化するほど水素脆化感受性が高まり、突然の破壊が危惧されます。また、水素をエネルギーとする燃料電池システムは次世代エネルギーの主役として期待されていますが、燃料電池自動車のタンクや水素ステーションでは極めて過酷な水素環境で材料が使用される傾向にあり、安全性と信頼性の確立が急務といえます。これらの問題を克服するため、水素脆化の基礎を修得することを目的とします。
(2018年7月25日 14:30〜16:00)
水素をエネルギー源とする取り組みが進んでいるが、高圧水素や液体水素の輸送・貯蔵が問題となっている。車・水素ステーションには高圧水素タンク、航空宇宙用途に液体水素タンクの利用が進んでおり、軽量化のために複合材が用いられる。水素は分子が小さいために材料中も透過しやすい気体であり、複合材が遮蔽するためには、ガスバリア層の付与が必須である。 本講座では、粘土と呼ばれる無機ナノプレートを樹脂と混合したガスバリア層である「クレースト」と、この材料の複合材製水素タンクへの適用について解説する。