やわらかさを知覚するメカニズムと測定方法

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プログラム

第1部 硬軟の知覚を含むヒトの触知覚メカニズム

(2018年7月25日 10:00〜11:30)

 素材の触知覚に関する基本要素である、粗さ・硬軟・摩擦・温冷の知覚メカニズムについて、接触の機械力学・心理物理学・神経生理学の観点から基礎を解説いたします。特に、硬軟の知覚に注力します。全体を通して、素材の触知覚の基礎を幅広く理解して頂けます。特定の素材や製品についてではなく、万事に応用可能な事項についてお話します。  機械で計測可能な柔らかさと、ヒトが感じる柔らかさは異なります。その理由を理解するためには、ヒトと機械の知覚/計測原理の違いを理解することが必要です。この講演では、ヒトの知覚メカニズムを中心にお話しいたします。

  1. 素材知覚の5次元
  2. 2種類の粗さ知覚
  3. マクロな粗さの知覚原理
  4. ミクロな粗さの知覚原理
  5. 摩擦知覚の原理
  6. 表面粗さと摩擦の関係
  7. 硬軟の知覚原理
  8. 温冷の知覚原理

第2部 圧縮空気を用いたやわらかさの測定法

(2018年7月25日 12:10〜13:40)

 物のやわらかさや硬さの情報は、それらが日常生活とも密接に関わることから様々な分野で測定されます。しかし、その測定は対象物に接触させて損傷を与える手法が殆どでした。  我々は、圧縮空気を使った非接触非破壊でのやわらかさの測定法について研究してきており、その研究で実用化された計測器は食物や人間の体・ゴム・プラスチックや金属のやわらかさの非接触非破壊測定が可能であり、新しい応用が拡がっています。

  1. 初めに
    1. 何故、やわらかさの情報が必要となるのか
    2. 既存のやわらかさや硬さの測定法
    3. 非破壊でのやわらかさの計測法
  2. 圧縮空気を用いたやわらかさや硬さの非接触非破壊測定法
    1. 非接触非破壊硬さ測定器
    2. 既存の測定法との相関
    3. 測定可能なやわらかさの範囲
    4. 実際の市販レベルの測定器
  3. 圧縮空気を用いた柔らかさの非接触非破壊測定法の応用
    1. 食品のやわらかさや鮮度測定
    2. 人間の皮膚や筋肉のやわらかさの測定
    3. ゴムやプラスチックのやわらかさと経年劣化の測定
    4. 固体や液体材料の粘性と粘度の測定

第3部 空気噴流による柔軟物の静的・動的粘弾性挙動の計測

(2018年7月25日 13:50〜17:00)

 生体部位、食品、化粧品などの柔軟物の柔らかさを測定する試験機は、固体のプランジャ、あるいは押し針を柔軟物に接触させて負荷させるので、粘着力や付着力の大きい柔軟物に適さないことがある。また、柔軟物に合わせたプランジャを選択する必要があるので、測定条件を揃えることも難しい。  一方、試作機では、負荷媒体は固体のプランジャではなく、空気噴流を用いるので、付着等の影響が生じにくい。また柔軟物表面に瞬時にくぼみを発生させ、そのくぼみをレーザ変位センサにより瞬時に測定できる特長を有する。  本講義では、くぼみ変化を静的および動的な計測・評価について述べる。特に、瞬時の負荷と除荷,および瞬時のくぼみ変化による粘弾性挙動について示す。

  1. 空気噴流による柔軟物の静的粘弾性挙動の計測
    1. 硬さと柔らかさ
    2. 空気噴流による静的粘弾性試験
    3. クリープ試験とクリープ回復試験
    4. コンプライアンスと等価深さ
  2. 空気噴流による柔軟物の動的粘弾挙動の計測
    1. 空気噴流による動的粘弾性挙動の計測
    2. 貯蔵弾性率と損失弾性率
    3. 繰返し負荷による計測
    4. 重ね合わせの原理

会場

株式会社 技術情報協会
141-0031 東京都 品川区 西五反田2-29-5
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