(2018年7月25日 10:00〜11:30)
素材の触知覚に関する基本要素である、粗さ・硬軟・摩擦・温冷の知覚メカニズムについて、接触の機械力学・心理物理学・神経生理学の観点から基礎を解説いたします。特に、硬軟の知覚に注力します。全体を通して、素材の触知覚の基礎を幅広く理解して頂けます。特定の素材や製品についてではなく、万事に応用可能な事項についてお話します。 機械で計測可能な柔らかさと、ヒトが感じる柔らかさは異なります。その理由を理解するためには、ヒトと機械の知覚/計測原理の違いを理解することが必要です。この講演では、ヒトの知覚メカニズムを中心にお話しいたします。
(2018年7月25日 12:10〜13:40)
物のやわらかさや硬さの情報は、それらが日常生活とも密接に関わることから様々な分野で測定されます。しかし、その測定は対象物に接触させて損傷を与える手法が殆どでした。 我々は、圧縮空気を使った非接触非破壊でのやわらかさの測定法について研究してきており、その研究で実用化された計測器は食物や人間の体・ゴム・プラスチックや金属のやわらかさの非接触非破壊測定が可能であり、新しい応用が拡がっています。
(2018年7月25日 13:50〜17:00)
生体部位、食品、化粧品などの柔軟物の柔らかさを測定する試験機は、固体のプランジャ、あるいは押し針を柔軟物に接触させて負荷させるので、粘着力や付着力の大きい柔軟物に適さないことがある。また、柔軟物に合わせたプランジャを選択する必要があるので、測定条件を揃えることも難しい。 一方、試作機では、負荷媒体は固体のプランジャではなく、空気噴流を用いるので、付着等の影響が生じにくい。また柔軟物表面に瞬時にくぼみを発生させ、そのくぼみをレーザ変位センサにより瞬時に測定できる特長を有する。 本講義では、くぼみ変化を静的および動的な計測・評価について述べる。特に、瞬時の負荷と除荷,および瞬時のくぼみ変化による粘弾性挙動について示す。