代替エンドポイントを用いた腎臓病治療薬の今後の臨床開発戦略成功のポイント

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プログラム

第1部. 代替エンドポイントを使った臨床研究のコツ

(2018年7月27日 10:00〜12:00)

 医薬品の開発のための臨床試験は、多くの場合新薬の効果を評価するために行われる。臨床試験をデザインする際には、あらかじめエンドポイントが設定され、サンプルサイズなどが設定される。エンドポイントは、死亡や入院など客観的に評価できる項目 (真のエンドポイント) が望ましい。しかしながら、これらの真のエンドポイントの発生は頻度が少なく、また期間は数年の長期にわたり、新薬の効果を期間内に評価することは難しいことが多い。そこで費用とマンパワーを削減するため、真のエンドポイントの代わりとして、短期間で評価できる代替エンドポイントが使用される。しかし、適切な代替エンドポイントを選択しなければ、臨床試験は失敗してしまう。  本講座では、日本腎臓学会で発表された、透析導入の代替エンドポイントを例に、代替エンドポイントについて解説する。

  1. 腎臓病とは
  2. 日本腎臓学会で代替エンドポイントを開発することになったきっかけ
  3. エンドポイントとは
  4. 代替エンドポイントとは
  5. 代替エンドポイントを使用した臨床試験の失敗例
  6. 腎機能低下に対する代替マーカー
  7. 推定糸球体ろ過量 (eGFR) 変化率の検討
  8. 推定糸球体ろ過量 (eGFR) 変化率の問題点
  9. 腎臓病の臨床試験を計画する際の代替エンドポイントの選択
  10. 今後の課題とまとめ

第2部. 今後の腎臓病治療薬に求められる治療成果および費用対効果

(2018年7月27日 13:00〜15:00)

 透析にかかる医療費は、2015年度の推計で1.57兆円に達しています。医療費全体が23.9兆円であることを考えると、新規透析導入を減少させることは社会保障の持続安定のためにも喫緊の課題です。透析導入は、糖尿病が第1位で慢性腎炎が第2位となっています。糖尿病に関しては、血糖管理の重要性は揺るぎありませんが糖尿病合併症対策、特に腎症進展抑制にかかる期待は大きいと思います。慢性腎炎は、原因が特定されていない疾患が多いのですが、進行する例では腎組織の線維化が共通の異常として認められ、腎機能悪化と深く関連しています。  糖尿病や慢性腎炎に対する新薬の可能性、最近、新薬の導入にあたり諸外国で導入されているQALYなどの指標を用いた費用対効果分析などについても概説する。

第3部. 慢性腎臓病の治療の現状と臨床上求められる新薬

(2018年7月27日 15:15〜17:15)

 慢性腎臓病 (CKD) は超高齢社会における新たな国民病といわれるが、その認知度や治療満足度 (薬剤貢献度) は極めて低い。CKD進行は臓器間ネットワークの破綻や、生命予後不良の原因となることから新たな創薬戦略が必要とされている。  本講演ではCKD、特に糖尿病性腎臓病 (DKD) に関する最近のトピックス、注目される新しいCKDの病態生理、腎保護効果を示す新たな治療薬、今後期待されるCKD治療戦略について総括します。

  1. 国民病としての慢性腎臓病 (CKD)
    • 超高齢社会におけるCKDの治療・診断の現況とその問題点
  2. CKDの分子病態学 (update)
    • 最近のトピックス (臓器間ネットワーク、ゲノム/メタボローム解析)
    • 尿毒素とCKD進展
    • オルガネラクロストークの病態生理学的意義
    • AKI to CKD – CKDリスク因子としての急性腎不全 (AKI) -
  3. 腎臓病治療薬の現状と今後
    • 注目される腎臓病治療薬、特に糖尿病性腎臓病 (DKD) において
    • 今後期待される臨床試験
    • 日本初腎臓病治療薬の開発を目指して

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