「乾いた雑巾を絞る」と評され、長らく横ばいで推移している製造業のエネルギー消費を削減するとともに、CO2排出量も削減するには、全体像を俯瞰的に見ながらプロセスごとの損失分析を徹底して、PDCAサイクルを回すことが近道の一つです。例えば工場の現場のプロセスでは、燃料や様々な物質、発電・買電による2次エネルギーとしての電力、さらにはさまざまな温度レベルの熱などを発生・消費しながら工程が管理されていますが、どこでどのような損失があるのか、単位プロセスごとの分析はエクセルギーでなければ見えてきません。また、化学・熱・動力・電力など異なる形態の物質・エネルギーを統一的な尺度で取り扱うことで、それらの本来のポテンシャルを生かし切る相互変換と合理的な利用を考えるにもエクセルギーによる評価が有用です。 本講座はエクセルギー活用法の2日間コースの初日として、物質・エネルギーとその変換過程に適用できる計算方法について具体的な演習を交えながら解説し、基礎理論・計算法をしっかりと身につけた頂いた上で、近年の研究事例についても紹介します。
我が国では、「エクセルギーという言葉」は知られていますが、「エクセルギーの応用法」は知られていません。エクセルギーは、エネルギーの評価方法を、従来の熱量ベースから、仕事量ベースに、180度転換します。エクセルギー解析法は、開発現場、製造現場におけるエネルギーのブラックボックスを、完全にみえる化し、著しい省エネルギーの成果に繋げます。 本セミナー「エクセルギー解析法」では、省エネルギーの汎用的手順として、「問題点のみえる化」、「解決策のみえる化」、「省エネ処方箋の作成」、「経済効果の正確な予測」、「省エネ効果の正確な検証」と、順次進めていきます。この方法論は、任意のプロセスへの適用性と、省エネルギーの著しい成功率で、導入企業から高い評価を受けています。