第1部 宇宙ビジネスの最新動向と市場展望と参入の留意点
(10:30~12:10)
日本の宇宙技術は、主に政府、JAXA主導の国家プロジェクトとして推進されてきました。その甲斐あって、欧米と肩を並べる技術水準に達することができ、ロケットの打ち上げ成功率や人工衛星の設計寿命全うと、宇宙技術大国としての地位も確立しています。しかし、その反面、高い技術開発の必要性が、希薄になってしまっていることは正直否定できません。成功して当たり前の時代になった現在、従来から高い技術力で牽引してきた、政府、JAXA、そしてロケットや衛星製造メーカの功績を活用して、新しいビジネスを生み出す機運がどんどん高まってきています。
宇宙ビジネスは、従来からのロケット、人工衛星の製造・打ち上げに限定したビジネスとお考えのかたも多いと思います。講演者は、その定義を広義にとらえ、ロケット、人工衛星について直接的にも間接的にも関係するビジネスを宇宙ビジネスと捉えています。従来、宇宙ビジネスに全く関係のなかった非宇宙企業様にも参入に大きなチャンスがあると考えています。企業様の保有する技術、ノウハウ、サービスなど様々な実績が宇宙ビジネスとして、活用できる可能性が十分あり、大きなポテンシャルを有しているのではと考えています。もちろん、課題も多く、容易なことではありませんが、企業様の熱意があれば日本の宇宙ビジネスは、大きく進化し発展していくものと考えています。その第一歩を踏み出すために何かのきっかけになればと思い、講演をさせて頂きます。
本講演では、まず宇宙ビジネスの全般を把握していただくために、国内外の市場動向や宇宙ビジネスの最新動向をお伝えします。その後、宇宙ビジネスに参入をお考えの企業様に重要となる考え方、視点をお伝えできればと考えています。貴社の宇宙ビジネスへの参入のお役に立てれば幸いです。
- はじめに
- 日本と世界の宇宙産業
- 日本と世界の宇宙予算の比較
- 日本と世界の宇宙ビジネスの市場規模
- 日本と世界のロケット、衛星の打ち上げ機会の比較 など
- New Spaceの宇宙ビジネスの最新事例
- 国内外のベンチャー企業の台頭
- 輸送機 (ロケット等) 分野
- Escape Dynamics、Reaction Engineなど斬新なアイデアによる取組み
- Space X、Blue Originなどの輸送コスト削減に係る取組み
- Rocket Lab、Vector Space System、インターステラテクノロジズなど
小型ロケットによるローンチサービス
- Rocket Lab、Thoth Technology、次世代ロケット企画など
輸送機 (ロケット等) 射場ビジネス
- 小型衛星分野
- OneWeb、SpaceXなど小型衛星群によるサービス
- アクセルスペース、キヤノン電子などのリモートセンシングビジネスの取組み
- QPS研究所、NECなどの小型レーダ衛星ビジネス
- ALEの人工流れ星エンターテイメントビジネス
- アストロスケールのデブリ除去ビジネス
- Spaceflightの軌道上の衛星支援ビジネス
- Airbus、Raytheonなどの小型衛星大量生産化の取組み
- 宇宙旅行分野
- Virgin Galactic、SpaceX、Blue Originの宇宙旅行サービス
- Space X、Reaction Engineなどの短時間海外渡航サービス
- Bigelow Aerospace、Orion Spanなどの宇宙ホテルサービス
- SpaceX、Adidasなどの宇宙服アパレル事業
- 亀田製菓、ローソン、ヤクルトなどの宇宙食ビジネス
- 惑星探査分野での最新動向
- ispace HAKUTO
- Moon Express
- Deep Space Industries など
- 衛星データを活用した利活用ビジネス
- SpaceKnow、Facebookの人工知能 (AI) を活用した取組み
- 三井住友海上などの保険サービス
- Google、日本ユニシスなどの太陽光発電ビジネス
- 豊田通商、ゼンリンデータコムなどの高精度ルートガイダンスシステム など
- 宇宙ビジネス参入の留意点
- 宇宙ビジネスの特徴
- ニーズ重視のビジネスの必要性
- 事業リスクの明確化の重要性と適切なプロジェクトマネジメントの遂行
- 保有技術などで新規参入する方法と信頼性・品質について
- 他産業のビジネスモデル模倣の重要性 など
- まとめ
第2部 宇宙ビジネスを取り巻く法規制とその留意点
(13:00~14:10)
宇宙ビジネスは、近年、基礎・応用技術の発展、打ち上げコストの低下などを受け、様々な事業分野においてサプライチェーンやツールとして大きな事業機会になりつつあります。
このような流れの中、宇宙先進国は規制目的の法制度のみならず、宇宙ビジネスを奨励する法制度整備を進めています。また、我が国でも宇宙二法案の提出、宇宙産業ビジョンの策定など、政府による積極的な施策が進められています。
本セミナーでは、現在の民間ビジネスの拡大とそれに呼応して進む法環境整備を概観し、宇宙法の歴史、我が国の宇宙関係法令を概観し、宇宙産業以外のプレイヤーから見た宇宙ビジネス及び法的戦略について検討したいと思います。
- 民間ビジネスの拡大に呼応して進む法環境
- 世界における法環境の動き
- 宇宙のルールメイキングの構図
- 国際宇宙法の沿革
- 各国の近年の法制度の動向の概要
- 宇宙二法・日本政府の動き
- 他業種から見た宇宙ビジネス・法的戦略
- 宇宙のビジネス契約における留意点
- 宇宙ビジネスにおけるファイナンス手法
第3部 宇宙・航空用 (超高温) 材料の要求特性と開発動向・用途展開
(14:20~16:00)
本セミナーの第1部では「宇宙ビジネスの最新動向・市場展望と参入の留意点」、第2部では「宇宙ビジネスを取り巻く法規制とその留意点」という、非常に具体的かつ詳しい話題が取り上げられました。そこで第3部では「材料技術戦略論」の観点から未来に焦点を当て、今後成長すると期待される宇宙・航空用 (超高温) 材料について、その要求性能と国際的な開発動向・用途展開を分かりやすく解説致します。
- はじめに
- 宇宙材料開発
- 宇宙材料への要求性能
- 宇宙材料の国際的な開発動向・用途展開
- 今後成長すると期待される技術分野をどうやって見つけるか
- 航空用 (超高温) 材料開発
- 航空用 (超高温) への要求性能
- 航空用 (超高温) の国際的な開発動向・用途展開
- 参加者を交えたグループディスカッション (応用演習)
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