企業価値の評価手法の主流となっている DCF法において、割引率及び成長率は評価結果を大きく左右する重要な要素の一つです。 割引率及び成長率の推計手法については、教科書的な解説が数多く与えられている反面、実践的なトレーニングの場は限られており、公式の機械的な適用、根拠のないプレミアムの加算などによる不合理な算定事例が散見されるのが現状です。
このような現状に鑑み、本ワークショップでは講師らが実務において直面した割引率及び成長率の推計に関する論点を取り上げ、モデルの背後にある現代ポートフォリオ理論などのファイナンス理論を踏まえつつ、 特定の場面においてどのような推計方法が適合するかについて、実践的な解説を行います。
I.基礎編 120分
- はじめに
- キャッシュ・フローと割引率の整合性
- 様々な株主資本コストの推計モデル
- CAPMを用いた株主資本コストの算定
- 無リスク金利
- β
- 株式リスクプレミアム
- ヒストリカル手法の特徴と問題点
- インプライド手法の特徴と問題点
- 追加リスクプレミアム
- CAPMとアノマリー効果
- サイズ・リスクプレミアムの推計方法
- ヒストリカル手法の特徴と問題点
- インプライド手法の特徴と問題点
- 負債コストの推計
- 資本構成の見積もり
- MM理論に基づく資本コストの調整
- 目標資本構成の推定
- 設例 国内企業の割引率の推計
II.応用編 120分
- 成長率の見積もり
- DCF法における継続価値の算定
- 永久成長率法
- 倍率法
- 実際の事例における成長率の水準
- 海外企業における割引率の推計
- 海外企業の評価における留意点
- 外貨建て項目の割引計算及び換算の考え方
- 株主資本コストの推計
- 新興国の無リスク金利の推定
- 新興国の株主資本コストの推計
- グローバルCAPM
- 相対リスク比率モデル
- 設例 海外企業の割引率の推計