マテリアルズインフォマティクスを活用した医療材料開発とその実践法

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本セミナーでは、情報科学を用いた材料開発「マテリアルズインフォマティクス」について課題や最新研究事例を解説いたします。

日時

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プログラム

第1部. 生体分子を機能制御する高分子材料設計~計算科学の利用例を含めて

(2018年7月13日 10:30〜12:15)

 核酸、ペプチド、生体膜の構造と機能を制御するための高分子材料の設計法に関して、演者の研究を中心に紹介する。

  1. 生体高分子の構造形成の基礎
    1. 生体高分子の構造形成と相互作用
    2. イオン性相互作用と高分子電解質複合体
    3. イオン性グラフト共重合体の設計
    4. カチオン性グラフト共重合体と核酸との相互作用
  2. 核酸の構造と機能制御
    1. 核酸自己組織化の基礎と計算科学
    2. カチオン性共重合体の核酸シャペロン機能
    3. 核酸酵素の機能強化
    4. 核酸コンピューターの機能強化
  3. ペプチドの構造と機能制御
    1. ペプチドの構造形成の基礎
    2. グラフト共重合体とペプチドとの相互作用評価
    3. グラフト共重合体によるペプチドの構造と機能制御
  4. 生体膜の構造と機能制御
    1. 生体膜の構造
    2. ペプチドと生体膜の相互作用
    3. 高分子を利用した生体膜構造の制御
    4. 計算科学を利用した機構予測

第2部. 計算化学を用いた材料開発とバイオ分野への応用~バイオセラミックス材料

(2018年7月13日 13:00〜14:45)

 10年以上にわたって産業応用を進めてきた計算化学手法について、その基礎と具体事例を紹介した後、バイオセラミックス材料開発への適用可能性について解説する。

  1. 産業に貢献する計算化学の概要
    1. 計算化学手法の種類
    2. 分子動力学法…原子の動きを計算する
    3. 量子化学計算…電子状態を計算する
    4. 超高速化量子分子動力学法:従来手法比1000万倍高速な量子分子動力学法
    5. メソスケール計算化学手法:多孔質構造モデリングほか
    6. マテリアルズ・インフォマティクスにおける計算化学の位置付け
  2. 計算化学による材料開発の具体事例
    1. スキーワックス…高撥水,低摩擦,高耐久性でオリンピック銀メダルに貢献
    2. チタニアナノスケルトン…化粧品応用を目指し国際宇宙ステーションで実験
    3. 各種電池:色素増感太陽電池,リチウムイオン電池,固体高分子形燃料電池
    4. 各種触媒:固体高分子形燃料電池,自動車排ガス触媒,原子炉水素再結合触媒
    5. 原子炉配水管構造材…放射性元素の金属酸化被膜への混入を抑止する方策
    6. 高速炉冷却材:ナノ流体…液体ナトリウムが化学的に劇的に安定化する
    7. 非鉛はんだ…極微量添加元素の影響を量子論に基づいて解析
  3. 計算化学のバイオ分野への応用
    1. 癌抑制タンパク質の解析:p53とDNAの量子論に基づく相互作用計算
    2. バイオフィルム成長の解析:生活排水周り汚れのマルチスケール計算化学
    3. バイオセラミックス材料に求められる性能
    4. 計算化学をバイオセラミックス材料開発に適用するには

第3部. マテリアルズ・インフォマティクスを用いた生体材料の設計

(2018年7月13日 15:00〜16:45)

 近年の情報科学と物質科学の融合による材料設計は、リチウムイオン電池、触媒設計などにおける成果が報告され、マテリアルズインフォマティクスは世界的な潮流として、企業・学術機関を問わず、多くの研究者が着目する材料設計技術として発展しつつあります。しかしながら、生体材料開発においては成功例が少ないのが現状です。本講演では情報科学的手法を生体材料設計に応用する際の問題点、解決すべき課題に加え、情報科学の初心者が一体どこから手をつけて良いのか、という点に重点をおき、初学者にお薦めの文献、ソフトウェアそれらを用いた研究成果など具体例を示しつつ説明を致します。

  1. 生体材料開発の現状
    1. 従来のバイオマテリアル設計のアプローチ
    2. マテリアルズインフォマティクスは何を変えるか?
  2. 人工物と生き物の界面
    1. バイオ界面の階層性・マルチスケール性
    2. 界面における分子プロセスの種類と生体反応
    3. 抗タンパク吸着特性・抗細胞接着特性のメカニズム
  3. 生体材料とマテリアルズインフォマティクス
    1. 生体材料開発における成功例の紹介
    2. バイオの系の計算科学との相性の悪さを実験で克服できるか?
      • 細胞応答のビッグデータを実験的に生成できるか?
    3. 情報科学的手法の選択
      • インフォマティクスを用いる目的の設定
      • フリーソフト、フリーライブラリを用いた統計分析手法の紹介
    4. 具体例の紹介
      • 材料の化学構造とタンパク質吸着、細胞接着の相関解析
      • 過去の経験則の定量化
      • インフォマティクスを応用した材料設計
  4. 総括
    • 実験とインフォマティクスの両立の必要性
      • 両者の長所・短所の理解
      • 今後の展望

会場

株式会社 技術情報協会
141-0031 東京都 品川区 西五反田2-29-5
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