コンビネーションプロダクトとは、医薬品、医療機器、生物製剤等を組み合わせた診断用又は治療用の製品をいう。コンビネーションプロダクトは、医療ニーズの多様化、高度化が進展する中、世界各国でさまざまな製品が積極的に開発されており、最近の注目分野の一つである。このようなコンビネーションプロダクトは、医薬品、医療機器、生物製剤等の組み合わせであることから、それぞれの単独の製品と比較して、さまざまな課題が指摘されている。とくに、特許の取得や権利行使において、多角的な観点から十分な検討が必要である。たとえば、特許の取得は、コンビネーションプロダクトのほか、医薬品について取得すべきか、それとも医療機器について取得すべきか。また、権利行使をするには、どのような特許クレームが強い特許として有効か。さらに、他社のコンビネーション特許の侵害を回避するには、どのような点に注意するべきか。
本講演では、このような点から、コンビネーションプロダクトの特許戦略について説明し、今後の課題と対応策について解説する。
- コンビネーションプロダクトとは
- コンビネーションプロダクトの定義
- コンビネーションプロダクトの製品パターン
- 最近のコンビネーションプロダクトの傾向と課題
- 今後のコンビネーションプロダクトの将来展望
- コンビネーションプロダクトに関する特許の動向
- 特許出願の最近の傾向
- 医薬品/医療機器に関する特許出願
- 自己注射剤
- プレフィルドシリンジ
- 医薬品溶出ステント
- 抗菌被覆カテーテル
- ステロイド被覆リード線
- 定量吸入器
- 経皮パッチ
- マイクロニードルなど
- 医療機器/生物製剤に関する特許出願
- インスリン注入ペン
- 自己注射剤
- プレフィルドシリンジ
- 成長因子を含む人工埋込材
- 細胞成分を含む皮膚代替物
- iPS細胞を含む人工骨など
- 医薬品/生物製剤に関する特許出願
- 抗体薬物複合体 (ADC)
- 核酸 – リガンド – コンジュゲート
- DDS製剤など
- 医薬品/医療機器/生物製剤に関する特許出願
- 特許を視野に入れた研究開発戦略 <コンビネーションプロダクト>
- 特許出願のタイミングと注意点
- 医薬品として出願するべきか
- 医療機器として出願するべきか
- どのようなタイミングで出願するべきか
- 研究開発に必要な特許調査の注意点
- コンビネーションプロダクトの特許調査の手法とコツ
- 医薬品と医療機器のどちらで検索すべきか など)
- 研究開発戦略と特許戦略の一体化
- 研究部門と知財部門の協力体制
- 研究者と知財担当者の連携の在り方など
- 今後の研究開発戦略の方向性
- 特許マップによる分析に基づく戦略的な研究開発のすすめ
- 最近の事例
- どのような特許を取得すべきか <コンビネーションプロダクト>
- 特許を受けるための要件
- どの程度の進歩性が要求されるのか
- どの程度の開示が要求されるのか
- 広くて強い特許とは、どのような特許か
- クレームの書き方
- 明細書の書き方
- 実施例の開示の程度 など
- 特許審査への対応
- 拒絶理由への対応方法
- 面接審査の活用方法
- 拒絶査定を回避するコツなど
- 特許をどのように活用すべきか <コンビネーションプロダクト>
- 特許ライセンスの実務上の留意点
- コンビネーションプロダクトはどのようにライセンスすべきか
- 特許の権利行使の実務上の留意点
- コンビネーションプロダクトはどのように権利行使すべきか
- 他社の特許を侵害しない方法
- コンビネーションプロダクトの他社特許はどのように回避するべきか
- 事業戦略と特許戦略の一体化
- 薬事審査と特許審査への対応はどのように連携すべきか など
- コンビネーションプロダクトの登録特許の最新事例
- 特許請求の範囲の最新事例
- 進歩性はどの程度要求されるのか (最近の事例より)
- 実施例はどの程度開示するべきか (最近の事例より)
- 諸外国の登録特許の事例との比較
- 事例を踏まえた最適な明細書・クレームの提案