第1部 SiCなどの新規基板向けパワーデバイス用封止材料の要求特性と課題
(2018年6月27日 10:30~12:10)
近代的生活に「電力」は必須です。パワーデバイスはこの「電力」を制御する半導体部品です。しかし、パワーデバイスは発熱するため、熱応力等により不良を発生する危惧を抱えています。今後、パワーデバイスは大幅に市場が拡大すると期待されています。この実現には、パッケージの信頼性を一段と高い水準に引き上げることが必要です。自動車自動運転や日常製品のインターネット制御 (IoT) 等で、発熱原因の不良を起こさないことが必須条件となります。このため、熱応力を大幅に低減する新規基板 (SiC等) の実用化が進んでいます。
今回、パワーデバイスの封止材料に関して、開発状況、現状の課題とその対策について解説します。
- パワーデバイス
- 種類
- 用途
- 市場動向
- 技術動向
- パワーデバイスの熱応力
- 発熱
- 基板対策
- 材料対策
- パワーデバイスの封止技術
- 封止方法
- PKG構造
- 放熱構造
- パワーデバイス用封止材料
- 組成
- 原料
- 製法・設備
- パワーデバイス用封止材料の評価
- 成形性
- 一般特性
- 信頼性
- パワーデバイス用封止材料の改良
- 高耐熱化
- 高純度化
- 高放熱化
- パワーデバイス用封止材料の放熱技術
- 充填剤
- 充填技術
- 表面改質
第2部 SiC・GaNパワーデバイスの最近のトピックスと高温・高周波実装への課題
(2018年6月27日 13:00〜14:40)
- パワーエレクトロニクスとは?
- パワエレ&パワーデバイスの仕事
- パワー半導体の種類と基本構造
- パワーデバイスの適用分野
- 高周波化のメリット
- Si – MOSFET・IGBTの伸長
- パワーデバイス開発のポイント
- 最新シリコンIGBTの進展と課題
- IGBT開発のポイント
- IGBT特性改善を支える技術
- 薄ウェハ化の限界
- IGBT特性改善の次の一手
- SiCパワーデバイスの現状と課題
- SiCのSiに対する利点
- SiC – MOSFETかSiC – IGBTか?
- SiC/GaNパワーデバイスの市場予測
- SiC – SBDそしてSiC – MOSFET開発へ
- 最近のSiC – MOSFETトピックス
- SiCのデバイスプロセス
- SiCデバイス信頼性のポイント
- SBD内蔵SiCトレンチMOSFET
- GaNパワーデバイスの現状と課題
- GaNデバイスの構造
- SiCとGaNデバイスの対象領域
- GaN – HEMTデバイスの特徴
- GaN – HEMTのノーマリ – オフ化
- GaN – HEMTの課題
- 縦型GaNデバイスの最新動向
- 高温対応実装技術
- 高温動作ができると何がいいのか
- SiC – MOSFETモジュール用パッケージ
- パワーデバイスの動作パターン
- パワーデバイス動作中の素子破壊例
- 信頼性設計とシミュレーションの活用
- まとめ
第3部 ポリベンゾオキサジンの強靭化・耐熱性・柔軟性向上に向けた分子・材料設計
(2018年6月27日 14:50〜16:30)
ポリベンゾオキサジンは環状モノマーの開環重合で得られる新規なフェノール樹脂であり、耐熱性・難燃性・化学的安定性などの従来のフェノール樹脂の特性に加え、ユニークな分子構造に起因する優れた寸法安定性、低吸水性、低表面自由エネルギーなど多くの特徴を有する。また、分子設計の自由度が高く、ポリマーアロイ、共重合、有機 – 無機ハイブリッドなど、変性の方法も多様である。それらの改質により、高耐熱性と強靭さを兼ね備えたフィルムも作製できる。
本講座では、ポリベンゾオキサジンの基礎から、多様な分子設計・材料設計をベースにした高性能化を紹介し、ポリベンゾオキサジンの豊かな可能性と残された課題について述べる。
- ポリベンゾオキサジンとは
- 環状モノマーの合成と開環重合
- 硬化物の特徴と用途
- 新規モノマーの分子設計
- 強靭化に向けた分子設計
- 耐熱性向上に向けた分子設計
- 高分子量ベンゾオキサジンの分子設計
- オキサジン環形成による高分子量化とその硬化物の特徴
- オキサジン環含有モノマーの重合による高分子量化
- ポリベンゾオキサジンのポリマーアロイ
- 液状ゴムとのアロイ化
- ポリイミドとのアロイ化
- ポリベンゾオキサジンのフェノール性水酸基を利用する共硬化反応
- エポキシとの反応
- ビスマレイミドとの反応
- 酸無水物との反応
- 有機 – 無機ハイブリッド
- 層状粘度鉱物とのナノコンポジット
- ゾル – ゲル法によるハイブリッド
- まとめ