基材表面への超撥水・防汚性付与技術

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プログラム

第1部 超親水・超撥水の基礎・原理と実際の応用事例

(2018年6月22日 10:00~11:30)

 親水性・撥水性は、広範な産業分野で必要とされている基本的な表面機能である。最近では、超親水化・超撥水化技術に対する関心が高まっている。  本講演では、PTFE表面の超親水化を具体例として取り上げながら、超親水・超撥水の基礎と原理について解説し、応用力を身につけてもらうことを本旨とする。

  1. はじめに/親水・撥水の基本原理
    1. 親水性・撥水性と表面エネルギー
    2. 表面エネルギーと凝集力
    3. フォークスとオーウェンス – ウェントの式
    4. 表面エネルギーと水滴接触角
    5. 撥水性と付着力/静的接触角と動的接触角
    6. ラフネスの効果/ウェンゼルとカッシー – バクスター
  2. フッ素系樹脂表面の超親水化
    1. アンモニア水プラズマによるPTFE表面の超親水化
    2. 超親水化したPTFE表面の表面エネルギー
    3. ウェッティングエンビロープによる評価
    4. 超親水化したPTFE表面の解析とメカニズム
    5. 超親水化したPTFE表面のモルフォロジー変化
    6. 超親水性の退行
  3. まとめと今後の課題

第2部 環境対応型撥水・撥油剤の現状とフッ素フリー撥水剤の開発

(2018年6月22日 12:10〜13:40)

 撥水剤は、フッ素を含むフッ素系撥水剤と、フッ素を含まないフッ素フリー撥水剤に大別される。いずれも加工した基材に対して水を弾く性質を付与でき、フッ素系撥水剤は、撥水性能だけでなく油を弾く撥油性も付与できる。このような付加価値の高さから、衣料やインテリア、産業資材など様々な用途で長年に渡って使用されている。  最近では、環境対応の動きからフッ素フリー撥水剤のニーズが高まっており、衣料分野においてはフッ素系撥水剤からフッ素フリー撥水剤へと移行する動きが活発になっているが、現状においてはいくつかの技術的な課題を抱えている。今回は、当社の薬剤メーカーからの視点から、撥水剤の現状と動向について紹介する。

  1. 撥水・撥油とは
  2. 撥水剤を取り巻く環境課題について
    1. PFOAに関する規制動向
    2. 主要アパレル企業の動向
  3. フッ素系撥水撥油剤 AsahiGuard E – SERIES
    1. 製品ラインナップ
    2. Soil Release (SR) 剤
    3. 性能例
    4. 併用薬剤について
  4. フッ素フリー撥水剤 MEISHIELD SERIES
    1. 技術的な課題と取り組み
    2. 製品ラインナップ
    3. 各製品の評価例
  5. まとめと今後の展開

第3部 ガラスや金属表面に対する簡便な超撥水性付与~散逸構造制御に基づいた表面構造~

(2018年6月22日 13:50〜15:20)

 超撥水性が示す現象として、水滴が表面上をスムーズに転がったり、落下した水滴が跳ね返されるようなことがおこる。このような超撥水性に特異的な特性が製品に適用されると、これまでにないユーザビリティが示されるものと考えられる。  演者らは、透明性を持つ超撥水材の開発をさらに進めることにより、タッチパネルなどの製品群のさらなるユーザビリティの向上に寄与していきたいと考えている。また、超撥水を示す表面構造は、非常に 微細な構造であるため脆いという欠点を持つ。このような欠点を解決する耐摩耗性に優れた材料開発も併せて行っていきたいと考えている。

  1. 背景と経緯
    • 近年、ウェアラブル機器をはじめとして、ヘルスケア関連製品への関心が高まり、防水や撥水技術などの重要性が指摘されている。一方、汎用性のある材料を用いて、簡便な工程で超撥水性を示す表面構造や、その製造方法についてはあまり知られていない。
  2. 塗布アプローチ①
    • 汎用のフッ素系粒子と界面活性剤を用いて、熱力学的平衡論をベースとした分子設計を施すことにより、それらの混合比などを詳細に検討した結果、塗布といった簡便な製造工程で超撥水性 (160°以上の接触角) を示すことのできる表面構造とその製造方法を見出したので報告する。
  3. 塗布アプローチ②
    • ディスプレイ用途を目指し、上述の材料系において、非平衡論的な指針で分子設計を施したところ、高い撥水性を保持したまま表面の透明性を向上させることも可能となることが判ったので報告する。
  4. 照射アプローチ
    • 上述の非平衡論的な分子設計を利用して、フッ素化合物の利用なしで金属表面に対する超撥水性付与手法も見出したので、その一部についても紹介する。
  5. その他
    • 上述で示したアプローチで得られる超撥水性を利用する製品適用例の一部を紹介する。

第4部 超親水・超撥水性を利用した防汚コーティング技術とその製品応用

(2018年6月22日 15:30〜17:00)

 超撥水性や超親水性については、それを実現するための様々な手法が開発されています。  本講演では、実際の製品への適用を想定した、実用的な開発技術について紹介します。防汚コーティングの「ハイブリッドナノコーティング」、「スマートエアコーティング」は、簡便な塗布処理で親水性・撥水性を制御でき、粉塵や水汚れなどの多様な汚れを抑制します。これらのコーティングの概要、製品適用事例について述べます。

  1. 超撥水・超親水について
  2. 防汚性
    1. 汚れの付着機構
    2. 汚れの抑制対策
  3. ハイブリッドナノコーティング
    1. 粉塵付着の抑制原理
    2. 適用事例紹介
  4. スマートエアコーティング
    1. 超撥水コーティング膜の形態
    2. 効果事例紹介

会場

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141-0031 東京都 品川区 西五反田2-29-5
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