電子機器のノイズ問題に対して、電磁界解析や実験などで得られた対策手法、ノウハウ、ルールなどが蓄積されてきています。それでも、設計段階で十分な対策ができていないことから、出荷段階で不要電磁放射 (EMI) の規格をクリヤできず、苦しむこともあります。この中には、以前は効果があったのに、今回は思うようにいかなかったということもあります。
このような事態にならないよう、マニュアルやルールだけに基づいた設計ではなく、不要電磁放射のメカニズムをきちんと理解し、機器個別に対応した設計を行う必要があります。
本講座では、始めに、基礎編として一般論を整理します。次に、実際編として、応用が効くように回路実装設計における重要なポイント、及び、見落としやすいことなどを重点にわかりやすく解説します。
- 電子機器のEMC問題と規格の概要
- IoT時代の電磁環境 – 電子機器を取り巻く電磁環境
- 電子機器から見たEMC問題
- EMC規格の概要
- EMC規格の概要
- EMC規格 – クリアが難しい規格は?
- EMC対策 3つの基本的な考え方
- 全方位、全周波数領域で配慮 – もぐらたたきにならないために
- エネルギーの流れ:ノイズ発生の上流側で配慮 – 効果的な対策のために
- 機器開発のステップ:開発工程の上流で配慮 – 開発コスト、期間の最小化のために
- EMC対策の中心はプリント基板の回路実装設計
- なぜ、プリント基板の回路実装設計が重要なのか
- プリント基板で起きる3つのノイズ – SI、PI、EMI
- 最も厄介なEMIノイズ 発生源で対策するのが基本
- ノイズ対策の階層と考え方
- 前準備:回路実装設計のために必要な電磁気・伝送回路の基礎
- 電子機器設計に必要な基本知識
- 回路図を見て思いこまないために
- 回路図には見えない結合を理解するために
- デジタル回路特有の電磁界
- 分布定数回路の振舞い
- 意図せずアンテナになってしまうもの – アンテナモデルと放射
- 基礎編:回路実装設計にとって必須となる8つの基本ルール
- 電子回路の基本3要素
- デバイスの選択と実装設計
- 配線への配慮
- グラウンド系の強化
- 実際編:機器実装設計で見落としやすい放射体の特性
- プリント基板周辺の金属板の影響
- 接続ケーブルの影響
- 実際編:基本ルールはどこまで有効か – 実験基板による基本ルールの検証
- 実験基板とパラメータ
- パラメータの影響分析
- デバイスの影響
- 層構成の影響
- 電源層分割の影響
- ビアの影響
- パラメータの影響のまとめ
- 万能ではない基本ルール – その限界と留意点
- 基本ルールの限界
- 放射特性を決めるメカニズム
- 知っておきたい基本ルールの意義と留意点
- まとめ – これからのノイズ対策設計の展望
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