第1部 セルロースナノファイバーの素材力と調製・制御技術および機能性発現
(2018年5月21日 10:30〜12:00)
セルロースナノファイバー研究がより一層の加速を見せている。本講演では、セルロースナノファイバーの調製法と構造について概説した後、分散性や強度、固有粘度等のナノファイバー1本の基本特性から、フィルムや多孔質等のナノファイバー集積体の物性へと進み、他素材との複合化及び界面制御を交えて、セルロースナノファイバー研究の要点を紹介していく。
- セルロースの構造と特性
- セルロースの構造
- セルロースミクロフィブリルの特性
- ナノセルロースへの展開
- セルロースナノファイバーの調製と分散メカニズム
- 分散性、表面電荷、長さの制御
- ナノセルロースの基礎物性
- セルロースナノファイバーの強度解析
- セルロースナノファイバーの粘度解析
- セルロースナノファイバーの配列及び集積制御 (フィルム、エアロゲル、フォーム)
- ナノセルロースの複合化
- プラスチックとの複合化、界面設計、補強性フィラーとしてのポテンシャル
- 無機ナノ粒子との複合化、各種機能性の発現、担体としてのポテンシャル
- その他の複合化事例
第2部 <企業におけるCNF取り組み事例>
セルロースナノファイバーの魅力・応用例とCNF関連製品の展開
~電池応用・生分解性樹脂への混合・マスターバッチなど~
(2018年5月21日 13:00〜14:00)
セルロースナノファイバーが新素材として世界から注目されています。資源量として圧倒的に豊富で、コストが安価になる可能性があり、リサイクル可能な生分解性を有する材料として非常に魅力的な素材です。本講演ではセルロースナノファイバーについての紹介と、弊社のセルロースナノファイバー混合マスターバッチを含めた関連製品について紹介します。
- セルロースナノファイバーとは
- セルロースナノファイバーの特徴
- セルロースナノファイバーの構造
- セルロースナノファイバーの応用例
- セルロースナノファイバーの電池への応用例
- セルロースナノファイバーの他の応用例
- セルロースナノファイバー関連企業、研究機関
- セルロースナノファイバーと各種樹脂、生分解性樹脂との混合例
- 弊社のセルロースナノファイバー関連製品
- 弊社のセルロースナノファイバー混合マスターバッチ関連製品
第3部 CNF関連技術開発を“新素材ビジネス”の視点で斬る
~事業化のチャンスと課題と知財戦略~
(2018年5月21日 14:15〜15:45)
多くの発明は先人の肩の上に乗り、そこからスタートする「再発明」であることは、これまでの特許情報からも明らかです。しかしながら、新素材には、新たなビジネスの誕生や既存ビジネスの形態を変革する可能性が秘められていることを理解していただきたいと思います。
「日本再興戦略 改訂2014 改訂2015 2016」で、次世代バイオマス素材として位置づけられているセルロースナノファイバー (CNF) も例外ではなく、
本セミナーでは、
- セルロースナノファイバー関連材料の特許情報
- ナノセルロースの研究開発・製造技術開発の現状
- ナノセルロース材料関連の事業化をめざす企業の取り組み
- 共同出願特許からみた、さまざまな共同開発の状況
- ナノセルロースに対する取り組みの将来展望
等に関する、これまでの取り組みに基づく、
- CNFの特性からみたビジネス機会と、そこに潜む技術課題
- “新素材ビジネス”に必須となる特許権の獲得
- 企業の成長戦略と“新素材CNFビジネス”
に関する調査研究成果を紹介します。
- はじめに
- 木材:実は高機能先端材料
- 新素材:セルロースナノファイバー (CNF)
- ナノセルロースと称されるものは?
- 「日本成長戦略テーマ」との位置づけだが…
- CNFならではの新用途は…?
参考) 炭素繊維:技術開発の歴史
- PAN系:特許を交えた、技術開発の歴史
参考) 材料系ビジネスの本格化には長期間を要す!
- 本格的事業化は、基本的特許出願権利満了後のケースも!
- ナノセルロースの競合は世界中に!
- セルロースナノクリスタル (CNC) 、セルロースナノファイバー (CNF)
- CNFの特性からみたビジネス機会と、そこに潜む技術課題
- CNFの特性を活かす:熱変形が小さい ~半導体封止材料、住宅建材、内装材
- CNFの特性を活かす:比表面積が大きい ~フィルター、紙おむつ用消臭シート
- CNFの特性を活かす:ガスバリア特性が良好 ~食品包装容器
- CNFの特性を活かす:水中で粘性を示す ~化粧品、食品、塗料
- CNFの特性を活かす:高い透明性 ~透明シート
- 日本製紙:透明シート特許群
- 大阪大学:透明導電性シート特許群
- CNFの特性を活かす:補強材 ~自動車タイヤ、コンクリート親和材
- CNFの特性を活かす:細孔担持体 ~触媒担持体、ガス分離膜
- CNF特性 v. 有望用途
- “新素材ビジネス”に役立つ特許権を得るには?
- 特許情報に注目しよう!
- 「新たな技術課題」を探索せよ!
- 新たな技術課題に気づけば、ビジネスに役だつ特許権が得られる!
- 新たな課題に相当するか/否か?:判定法
- 技術開発業務:特許に関わる調査 v. 当たり前の技術
- 特許権獲得につながる発明創出方法
- 特許出願審査請求 v. みなし取下先願特許公報
- 実例を示すと…
- 特許出願時点で調査可能な特許情報は…
- 企業の成長戦略と“新素材CNFビジネス”
- 企業成長戦略
- 製紙企業:業態の変革が求められている!
- 企業成長とビジネス拡大の指針
- CNF関連技術と“新素材ビジネス”
- CNF:量的にみた有望用途/市場は?
- 報告者:VTT Technical Research Centre of Finland Ltd
- まとめ
第4部 CNFの強みと弱み、多彩な利用・複合と新規高機能材への展望
(2018年5月21日 16:00〜17:30)
セルロースナノファイバー (CNF) は鉄の5倍の強度,1/5の軽さを有する天然素材として注目を集めている。ただ,その根拠について多く語られることがなく,時代の流行になっている傾向がある。本講では,CNFの備える,それ以外の特長,弱点も併せて具体例を多く取り上げて概観することで,改めてCNFの魅力について語ると共に,新たな高機能材料としての可能性に言及する。
- セルロースをナノファイバーにすると
- セルロースの特性
- セルロースの弱点
- セルロースをどうやってナノ繊維にするのか
- CNFの植物種依存性
- CNFの強みと弱み
- CNFの多彩な利用
- CNFを複合材料の充てん繊維に
- CNFを複合材料のマトリックスに
- CNFを充てん繊維とマトリックスの両方に
- CNFの特長を生かす用途