第1部 一般および高薬理マルチパーパス設備におけるPIC/S時代の洗浄実務と毒性学的な評価による洗浄バリデーション
(10:20~14:30)
一般医薬品および高薬理活性医薬品をマルチパーパス設備で扱う場合の大きな課題の一つは、洗浄評価基準の構築である。EU-GMPおよびPIC/Sでは、洗浄に関して「毒性学的な評価による」とされ、その具体的なツールとして「健康ベース曝露限界値」を用いるとされている。この「健康ベース曝露限界値」による洗浄評価については、最近のEMA Q&A ドラフトでは現実的でフレキシブルな選択肢について提案されている。
ここでは、マルチパーパスプラントの洗浄を巡る課題、洗浄にかかわる最新規制と関連ガイドラインの概要、健康ベースの曝露限界値の設定、数値シミュレーション事例、健康ベース曝露限界値を用いる洗浄評価への具体的な対応、今後の洗浄バリデーションのあり方について説明する。
- マルチパーパスプラントの洗浄を巡る課題
- 最近の規制改正の動きとその背景
- 明確となった専用化要件とマルチパーパス設備のあり方
- 今後の洗浄実務に要求されること
- 健康ベース曝露限界値を用いる洗浄評価
- 洗浄にかかわる最新規制と関連ガイドラインの概要
- EU-GMP 専用化要件 (Chapter 3 ) /交叉汚染防止要件 (Chapter 5)
- EU-GMP Annex15 (洗浄バリデーション)
- EMAガイドライン (PDE設定)
- EMAガイドラインQ&A ドラフト~洗浄に関係する項目
- PIC/S – GMP
- Risk – MaPP 改定版 (2017) ~洗浄に関係する項目
- 健康ベース曝露限界値
- 健康ベース曝露限界値の定義と前提
- 健康ベース曝露限界値の設定
- 不確実係数について
- 健康ベース曝露限界値によるリスクアセスメントツール ~OEL/ASL/SRLなど
- 健康ベース曝露限界値を適用する時の留意事項
- 毒性データが得られない場合の対処
- 有効数字の考え
- 設定文書 (モノグラフ)
- 健康ベース曝露限界値データを巡る今後の課題
- 従来の洗浄評価基準の問題点
- イーライリリー社の評価基準の問題点
- 洗浄評価基準を巡るいろいろな意見
- 健康ベース曝露限界値を用いた洗浄評価シミュレーションの複数事例
- HBEL基準/従来基準による許容残滓限界 /目視限界の比較
- Risk – MaPP 改定版 (2017) でのシミュレーション事例
- そのほかのシミュレーション事例
- 健康ベース曝露限界値を用いる洗浄評価への具体的な対応
- 洗浄閾値SRLの意味合い
- SRLと目視限界、検出限界との関係
- SRLが極端に低くなる場合への対応
- 前製品次製品の摂取経路が異なる場合の対応
- 治験薬への対応
- バイオ医薬品
- 既存製品への対応
- 今後の洗浄実務
- 今後の洗浄バリデーションの手順
- テストランの回数について
- 洗浄の目標設定について
- 目視検出限界について
付録
- 健康ベース曝露限界値を理解するための毒性学基礎知識
- 毒性学の基礎的な用語
- 洗浄に関するその他のガイドライン ~ 概要
- 医薬品開発の各ステージにおけるリスクアセスメントツール (OEB、OELの設定時期)
- 封じ込めプロジェクトにおける曝露リスクアセスメントツール
- 洗浄しやすいマルチパーパス設備の設計事項
第2部 暴露許容値を用いたマルチパーパス設備における洗浄基準の決定
(14:45~17:00)
非専用設備の洗浄基準設定に科学的根拠が求められるようになってきました。本講座では、その根拠の一つとして用いられるようになってきた暴露許容値を正しく使えるよう、まず暴露許容値を理解いただけるよう事例などを通してご紹介します。
- 暴露許容値の設定
- 暴露許容値 (OEL、ADE/PDE) とは
- 暴露許容値算出上の課題
- 事例
- 暴露許容値から洗浄基準へ
- 許容されるキャリーオーバー
- 洗浄基準の算出
- 事例