リチウムイオン電池における内部ガス発生メカニズムと組成分析、および膨張抑制策

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本セミナーではリチウムイオン電池における事故の前兆である、内部ガスの発生とモジュールの膨張を理解し、対策するための方法について詳解いたします。

日時

開催予定

プログラム

第1部 リチウムイオン電池内部ガスの発生メカニズムと抑制技術動向

(2018年5月30日 11:00~14:50)

 社会のあらゆる電源インフラとして、リチウムイオン電池はその大中小を問わず、普及している。胸ポケットのスマホの4Ahクラス電池、医療機器の電池、EVの100kWh大型電池…。これらのトラブルの殆どは、発熱や発火の前兆として、電池内部のガス発生と膨張が見られる。現在の有機電解液系のリチウムイオン電池では、この問題を原理的に解消することは出来ない。勿論、電池材料の選定や設計において、相応のリスク対応はなされているが、“想定外”の状況でガス膨張と発火は一定の比率で発生している。  本セミナーでは実用の20Ahクラス大型電池の事例を紹介しつつ、この問題の物理化学的な事項を解説したい。FIT制度の変遷とZEHome制度化による住宅ソーラ発電への蓄電システムの増加。更にはグローバルなZEV化とEVの急増などを背景として、リチウムイオン電池の安全性の強化は待った無しの課題である。  安全性、特に膨張、発火・破裂などは、関連する企業サイドでその詳細を発表することは希であるが、伏せて置いて解決することではないので、改めて安全性向上の技術としての対応を則したい。

  1. リチウムイオン電池の基本 (電気化学) 正・負極材/電解液・電解質
  2. リチウムイオン電池の基本 (電極構造) 部材、構成と種類
  3. 充・放電の電気化学 (1) 正常な範囲 (サイクル動作)
  4. 充・放電の電気化学 (2) 異常な範囲 (過充電、過放電)
  5. ガス膨張の事例 (1) ; 過充電、過放電など
  6. ガス膨張の事例 (2) ; 引火、発火を伴う例
  7. ガス成分の成分; GCmas分析例
  8. リチウムイオン電池と内外の化学物質法規制
  9. 安全性規格、同試験方法とガス膨張の関係
  10. EVなどの電池システムの事例と冷却方法
  11. 全固体電池、ポストリチウムイオン電池などとの関係

第2部 リチウムイオン電池の内部発生ガス、SEI (Solid Electrolyte Interface) の組成分析

(2018年5月30日 15:00〜16:30)

 リチウムイオン電池 (LIB) は小型電子機器から電気自動車まで、幅広く活用されており、様々な電池の中で最も注目されている。本講演ではLIBの内部ガス分析とサンプリング、測定手法と分析事例として、安全性試験と試験時おける発生ガス分析などを紹介する。また、電極SEI (電極表面被膜) についても耐久試験セルでの分析事例を中心に説明する。

  1. LIB解析フロー
  2. LIB内部ガス分析
    1. ガスのサンプリング、測定手法
    2. 市販品膨れガスの内部ガス分析
    3. 水添加試験セルの内部ガス分析
    4. 高温加熱試験時発生ガス分析
  3. 電極SEI分析
    1. SEI分析手法
    2. 耐久試験セルのSEI分析

会場

大田区産業プラザ PiO
144-0035 東京都 大田区 南蒲田1-20-20
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