第1部 「臨床試験における臨床検査値の判読と留意点」
(2018年5月25日 10:00~12:30)
臨床試験では臨床検査データを評価して、薬剤の主効果と有害事象の判断をすることが必要である。しかしながら、臨床検査をどこで、誰が、どのように行うかも把握しておく必要がある。なぜなら、検査結果に影響するからである。また、臨床の現場では、臨床検査データを単なる数値として基準範囲と比較することはしないし、するべきではない。では、臨床検査データをどのように判読すればよいのだろうか。臨床検査がどのように行われているのか、検査の現場を紹介し、検査データを読む時の注意事項、読み方について提示したい。
- はじめに
- 臨床検査の成り立ち
- 適正な臨床検査値を得るために
- 臨床検査値の変動要因
- 適正検査条件
- 適正な検体採取と取り扱い方
- 個々の検査の特性を理解する
- 検査方法による検査値の違い
- 検査結果の読み方と注意事項
- 基準範囲と臨床判断値
- 個人の健常値
- 感度と特異度、陽性的中率と陰性的中率
- 主な検査結果
- 肝機能検査
- 腎機能検査
- 溶血の検査
- 心筋・骨格筋の検査
第2部 「がん治療薬の臨床研究 (臨床試験) の有害事象判定
~臨床応用への問題点~」
(2018年5月25日 13:15~15:45)
がん治療薬の臨床試験において、安全性評価である有害事象判定は薬剤の承認につながる重要な項目である。特に、医師が判定している重症度・因果関係はどのように判定され有害事象の緊急報告はどのようになされているのだろうか。分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬の複雑な有害事象判定も含め、臨床医の立場から、重症度を判定するまでのプロセス、評価の問題点を具体例にあげて解説する。
- ICHおよび厚生労働省における重篤の定義
- 安全性情報の報告に関連する用語と定義
- 基本用語
- 重篤な有害事象または副作用
- 副作用の予測可能性
- 緊急報告の基準
- 抗がん剤の臨床試験における有害事象の評価
- 医師の評価は絶対なのか?
- 有害事象判定の際の問題点
- 分子標的薬/免疫チェックポイント阻害薬の臨床試験
- 有害事象の複雑化
- 有害事象の各専門領域での判定の問題
- 臨床応用の問題点
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