自動車室内を中心とした音環境の設計とノイズコントロール技術

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本セミナーでは、自動車内空間の居心地改善のための、アクティブ騒音制御と音評価技術を詳説いたします。

日時

開催予定

プログラム

第1部 アクティブノイズコントロールによる騒音制御技術

(2018年6月6日 10:00~11:10)

 音で騒音を制御するアクティブノイズコントロールについてその原理から応用、さらには最新の技術や今後の展望について詳細に説明する。アクティブノイズコントロールは実装時にさまざまなノウハウが求められるので、その点についても説明する。そして、超指向性を有するパラメトリックスピーカ等についてもアクティブノイズコントロールへの応用も含めて原理を紹介する。

  1. アクティブノイズコントロールの基本原理
  2. アクティブノイズコントロールの制御方式
    • フィードフォワード
    • フィードバック
  3. アクティブノイズコントロールにおける信号処理
    • FXLMSアルゴリズムの原理
  4. アクティブノイズコントロールにおける最新技術
    • バーチャルセンシング
  5. アクティブノイズコントロールの実装上の注意
  6. アクティブノイズコントロールの応用例1 (MRI騒音)
  7. アクティブノイズコントロールの応用例2 (ヘッドレスト)
  8. アクティブノイズコントロールの応用例3 (いびき騒音)
  9. アクティブノイズコントロールの応用例4 (パラメトリックスピーカの利用)
  10. アクティブノイズコントロールの課題と今後の展望

第2部 自動車車室内の音環境設計 – 能動制御を中心とする最近の動向ー

(2018年6月6日 11:20〜12:30)

 自動車はたいへん便利な移動手段で生活に密着しており、現代社会では欠くことのできないものとなっています。その自動車車室内では、好きな音楽を聞く、映画を見る、といったことから、目的地までの道路案内や渋滞情報を知らせる、ハンズフリー電話で会話する、障害物センサなどの検知を音で知らせる、など、音が重要な役割を担っており、音環境設計の重要度が増しています。  本セミナーでは、自動車車室内の騒音への対応と再生音の音場合成にフォーカスし、基本原理と最近のトレンドについて解説します。

  1. 音環境としての自動車車室内の課題
  2. 自動車車室内のアクティブノイズコントロールの現状と課題
    1. エンジンこもり音
    2. ロードノイズ
  3. 自動車車室内の騒音による音のマスキング対策の現状と課題
    1. 騒音による音のマスキングとその対策
    2. 心理音響の知見に基づく騒音下での音質改善
  4. 自動車車室内の音場合成法の現状と課題
    1. 伝達関数合成法
    2. 境界音場合成法
    3. 固有モード合成法
    4. アンビソニックス
    5. サウンドスポットの合成

第3部 自動車車室内音低減のためのANC技術

(2018年6月6日 13:10〜14:20)

 自動車の燃費向上の要求はますます高くなり,それに伴い,車体の軽量化と合わせパワープラントに対する燃費向上のための新技術も研究開発が進められている.また,商品性の向上として振動騒音の性能向上の要求も高まっている.しかし,従来からの振動騒音対策は車体重量の増加を伴うことが多く,燃費向上という要求と相反することが多い.これらの要求を高次元で両立させる技術としてアクティブ騒音制御技術に着目し技術開発を進めてきた.  本講演においては、自動車の振動騒音を取り巻く環境とそれに対する従来技術の課題を示し、その対応として講演者らが技術開発し多くの商品に適用してきたアクティブノイズコントロールシステムについて解説する。

  1. 自動車の振動騒音技術と取り巻く環境
    1. 従来の自動車の振動騒音対策
    2. アクティブ騒音制御技術の必要性
  2. 自動車のアクティブ騒音制御技術
    1. アクティブ騒音制御の基本
    2. ホンダのアクティブ騒音制御技術
      1. アナログドラミングANC
      2. エンジンこもり音ANC
      3. 低周波音統合ANC ~ディジタルドラミングANC~
      4. 加速サウンドASC

第4部 個々の好みに適応する音質制御システムの検討

(2018年6月6日 14:30〜15:40)

 ここでは音の評価と好みの解析手法について基本的なお話を行い,それぞれの好みに基づく制御手法について解説します.

  1. 好みの評価方法について
  2. SD (意味微分) 法と一対比較法
  3. 自動車加速音の好みの解析
  4. 適応音質制御手法について
  5. 適用例

第5部 音の効果的利用に向けたヒトの聴覚メカニズムと音の評価

(2018年6月6日 15:50〜17:00)

 音の効果的利用に向けたヒトの聴覚メカニズムということで、聴覚刺激に対応した視覚刺激がある場合の、視聴覚間の主観的な等価性 (主観的等価音圧レベル、主観的同時点、及び主観的奥行き感) について説明します。視聴覚刺激間の等価性考慮した刺激呈示を行うことで、AVコンテンツにおける迫力感の増大などの効果が期待されます。また、視聴覚刺激間の主観的同時点に関して、注意による変化、光源輝度や周辺照度による変化についても説明します。音の評価としては、自動車車室内空調音の評価を例に、空調音を騒音という観点から低減するのではなく、音質の観点から心地よい音を探るという研究を紹介します。

  1. 視聴覚間の主観的な等価性及び視聴覚間の同時性について
    1. 視聴覚刺激間の等価性
    2. 主観的等価音圧レベル,主観的同時点,及び主観的奥行き感の関係
    3. 視聴覚への注意と主観的同時点の関係
    4. 光源輝度及び眼前照度と主観的同時点の関係
  2. 心理音響評価量を用いた自動車車室内空調音の評価
    1. 自動車空調音の評価にふさわしい評価語の選定
    2. 自動車空調音の主観評価実験
    3. シャープネスと温冷感
    4. 年代別の空調音の印象の違い

会場

株式会社 技術情報協会
141-0031 東京都 品川区 西五反田2-29-5
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