本セミナーでは、リチウムイオン電池の充放電時の体積膨張の原因と対策、添加剤・カーボンコーティング・バインダー最適化などサイクル特性の改善手法を詳解いたします。
(2018年5月30日 10:00〜11:30)
シリコン負極は、リチウム二次電池において現行の黒鉛負極の10倍以上の理論容量 (約4,200 mAh/g) を有する極めて魅力的かつ期待されている電極材料の一つです。 本講座では、そのようなシリコン負極を使いこなすためのコツについて、鱗片状およびナノ粒子状シリコン粉末を例に挙げ、サイクル寿命の向上や初期および後続する不可逆容量の低減など、 シリコン負極に関連する諸問題とその解決法についてわかりやすく解説します。また、シリコン負極の応用例について、ハイブリッドキャパシタや次世代電池などへの展開を中心に紹介します。
(2018年5月30日 12:10〜13:40)
有機電解液が越えられない電気化学還元の課題を乗り越えることが可能な無機固体電解質を利用した全固体リチウム電池へのSi負極適用について現状と展望を解説します。
(2018年5月30日 13:50〜15:20)
我々はリチウムイオン二次電池用正負極活物質の合成研究開発を行っており、活物質の高容量化・長寿命化のためには電極を構成する素材の最適化が必要不可欠である。 そこで、本講座ではシリコン粉体をベースにした負極活物質と共に電極を構成するマトリクス素材としてバインダーの物理的・電気化学的特性制御に着目し、活物質の膨張収縮による合材層構造崩壊抑制などの諸効果を検証した。
(2018年5月30日 15:30〜17:00)
リチウムイオン電池用新規負極材料としてSiが注目されてきた。Si負極の性能調査としては、充放電試験による劣化挙動の解析は一般的に行われてきたが、充放電時におけるSi材料そのものの構造変化については十分に把握されているとは言い難い状況にある。そこで、Si材料の充放電挙動について電子顕微鏡を用いて微細構造の変化を詳細に調べた結果を発表する。 本発表では、Si材料へのLiの挿入脱離現象について、結晶学的なアプローチも含めて考察している。 さらに、Siの微粉化や表面被膜生成などの劣化現象に関係する副反応がどのようなスキームで発生しているかについて微細構造分析の立場で評価した例を示す。