ガラスは透明性、耐久性等から優れた材料だが、脆くて割れ易いのが欠点である。
この欠点を補いガラスを強い材料に変える手段が強化であり、これを化学的な方法で行なうのが化学強化で薄い板厚あるいは複雑な形状のものでも強化が可能なことが特徴である。
ガラスの化学強化は1980年代にはほぼ確立した比較的古い技術であるが、最近も応用範囲が拡大し続けている。
化学強化ガラスを製造、あるいは使用する上でその基礎的知識は非常に重要であり、どのような点に注意すれば良いかを、ガラスの基礎的な知識を含め概説する。
- ガラスの基礎
- ガラスの定義
- ガラス転移
- ガラスの構造
- ガラスの一般的特徴
- ガラスの組成
- 板ガラスの製造方法
- ガラスの強化の歴史
- ガラスの強度と強化の方法
- ガラスの強度
- ガラスの強化方法
- 強化の原理:化学強化と物理強化 (風冷強化) の違い
- 化学強化方法の種類
- 低温型化学強化
- 強化の拡散からの考察
- 表面応力の発生と緩和
- 強化の方法
- 溶融塩法における塩の汚染の影響
- 強化へのガラス組成の影響
- 化学強化で高い強度が得られる条件
- ガラス組成と強度の関係
- 化学強化に適した組成とは
- 実用ガラスの強化で得られる強度
- 化学強化ガラスの性能
- 化学強化ガラスと物理強化ガラスの比較
- 強化条件と強度の関係
- 表面の傷と強度の関係
- 熱処理による強度の低下
- 化学強化ガラスにおける最近のトピックス
- Engineered Stress Profileガラス
- 耐衝撃性の向上
- 破片サイズの制御
- まとめ