第1部 伸長流動とは何か?
- 変形と流動の基礎、 せん断流動と伸長流動の比較 -
(2018年5月30日 10:00〜12:00)
円管内を流れる液体の流動抵抗を支配するのは粘度ですが、流動の形式はせん断流動となっていますので、粘度も厳密にいえばせん断粘度ということになります。しかし、工業的には液体が引っ張られて流動するプロセスがあります。伸長が支配的となる流動では、せん断下で求めた粘度を用いて検討することはできません。
伸長流動を解析するには伸長粘度が基本となりますが、弾性効果を考慮する必要があります。本セミナーでは、技術として応用することを目指して、伸長流動の基礎について解説します。
- 変形と流動の基礎
- せん断変形と伸長変形
- 変形の大きさ (ひずみ)
- せん断流動と伸長流動
- 流動場の大きさ
- 応力
- 非ニュートン流動
- せん断粘度と伸長粘度
- 粘弾性の基礎
- 粘弾性の現象論
- 弾性と粘性の物理的意味
- マックスウェルモデルとフォークトモデル
- 4要素モデル
- 動的粘弾性
- 非定常流動場における弾性効果
- 代表的な物質の伸長レオロジー
- 高分子の伸長流動と紡糸
- 高分子の伸長流動に及ぼす分子量の効果
- 分散系における伸長粘度とせん断粘度
- 伸長流動の実用測定
- Capillary breakup法
- 工業的実用試験
第2部 伸長流動装置による機能性樹脂の高品質化
(2018年5月30日 12:40〜14:00)
混練は伸長流動と剪断流動で進行する。ウトラッキーにより1995年に発表された伸長流動装置は、ナノ分散を実現したが、量産性に難があった。その後コニカミノルタで開発された伸長流動装置 (カオス混合装置) はその問題を解決するとともに、二軸混練機で宿命的な混練の不均一性を解決できる装置で、樹脂の品質を向上するとともにフローリーハギンズ理論で相溶が否定されたPPS・6ナイロンの系を相溶する能力を発揮している。
- 混練概論
- ゴムの混練
- 樹脂の混練
- 二軸混練機の問題
- 新しい混練装置
- 伸長流動装置 (カオス混合装置)
- カオス混合
- 開発の経緯
- PPS/6ナイロン中間転写ベルトの開発
- 応用事例
- 難燃性樹脂
- UL94.V2合格樹脂の事例
- UL94.V0合格樹脂の事例
- ナノ物質の分散
第3部 各種プラスチック成形分野における 伸長流動データの活用
(2018年5月30日 14:10〜15:30)
- プラスチック成形加工における伸長流動
- 伸長流動が現れる場面
- 伸長流動の形態
- 樹脂構造と伸長粘度
- フィルム成形における伸長流動
- ダイ内流動
- フィルムキャスティング
- ブロー成形における伸長流動
- パリソン形成
- ブローアップ
- 発泡成形における伸長流動
- 気泡形成
- 発泡体の延伸、破泡
- 射出成形における伸長流動
- フローフロント
- ゲート部糸曳
第4部 レオメーター、粘弾性測定機器による 伸長流動の測定について
(2018年5月30日 15:40〜17:00)
- 伸長流動の基礎
- 伸張変形とせん断変形
- 3種類の伸長流動
- 伸長流動を表すパラメータ
- 機械的手法による伸長粘度測定法
- 粘ちょうな物体に関して
- 流動性の高い物体に関して
- 光弾性計測による評価法
- 高速偏光解析法
- 光弾性則
- 高速偏光イメージングによる伸長流動解析
- まとめ