樹脂材料の各種寿命予測の基本は、特性値の時間的変化を把握することにあります。これは、適切な評価方法で寿命予測を行うためであり、また、その特性値の時間的変化あるいは温度水準による変化をアレーニウス式のような法則式に回帰できれば、劣化寿命の予測が可能になります。
本講座では、まずプラスチック・ゴム・両面テープに関する各種劣化寿命をアレーニウス式やラーソンミラー式に回帰する方法について解説します。各種寿命予測式の設定方法は、非常にシンプルかつ簡便であるため、樹脂製品の製造・設計・評価業務にかかわる方であれば、誰もが理解できる内容になっています。さらに、主要な項目については、劣化メカニズムから劣化の加速試験条件の設定方法についてまで、包括的に解説します。
- 全般
- 樹脂材料の劣化
- 入力因子と劣化現象の対比
- 樹脂材料の寿命予測方法
- 化学反応速度論としてのアレーニウスの式
- 樹脂材料の劣化に適用したアレーニウスの式
- 寿命予測式の設定
- 活性化エネルギーの求め方
- 分析ツール「回帰分析」による寿命予測式の設定
- 分析ツールの設定方法
- アレーニウス型による劣化寿命の回帰分析
- ラーソンミラー型による劣化寿命の回帰分析
- 回帰統計情報の算出方法ならびに解説
- 分析ツール以外の回帰分析方法
- INDEX (LINEST) 関数による方法
- LINEST関数による方法
- 劣化加速試験条件の設定
- 年間部品温度頻度の把握
- 発生温度における寿命計算
- マイナー則 (直線被害側) の適用
- ダメージ量の累積
- 試験上限温度の見極め
- 劣化加速試験条件の設定方法
- ゴム
- シール部品
- 劣化状態の評価法と劣化メカニズム
- 寿命予測および劣化加速試験の条件設定
- ガスケット
- 寿命予測のための特性値の決定
- 寿命予測および劣化加速試験条件の設定
- ダイアフラム
- 寿命予測のための特性値の決定
- 寿命予測および劣化加速試験条件の設定
- 両面テープ
- 両面テープの剥がれ原因の分析
- 両面テープ使用部品の剥がれ不具合対策
- 剥がれ寿命予測
- 等価温度の算出定
- 接着剤
- 試験片モデルによるクリープ寿命予測
- 劣化加速試験条件の設定
- プラスチック
- ソルベントクラック
- 破面の特徴と不具合事例、劣化メカニズム
- 臨界応力の把握方法
- 寿命予測
- 環境応力割れ
- 破面の特徴と不具合事例、劣化メカニズム
- 評価方法
- 因子としての吸水率の予測
- クリープひずみ
- 発生メカニズム
- 評価方法と寿命予測
- クリープ破壊
- 破面の特徴と不具合事例
- 寿命予測
- 熱劣化
- 発生メカニズム
- 評価方法と寿命予測
- 劣化加速試験条件の設定
- 紫外線による黄変
- 発生メカニズム
- 評価方法と寿命予測
- 加水分解
- 発生メカニズム
- 評価方法と寿命予測