とても柔らかいモノの変形特性について、触れるだけで物理的に数値データ化することができる方法・装置が、医療テクノロジーの高度化ニーズと情報システムの急速な発展を背景としながら、特に医師の触診テクニックに基づいて実用化されました。これは、もともと診療における利用を想定して研究開発されたものでしたが、その状態によって敏感に変わりやすい様々な柔軟素材へ適用できたことから、いま分野を問わず幅広い場面において利用され始めています。
そこで本セミナーでは、この「柔らかいモノ」の変形特性を押込試験によって物理的に測る方法を紹介いたします。測る対象となるモノは、医療分野はもちろんのこと、さまざまな柔軟性のある食品、またヒト肌に関する美容・化粧品、さらに素材においては樹脂・ポリマー・フォーム材や繊維などです。また、柔さ計測システムを持ち込んでの柔軟性の測定デモも行います。持込み試料の評価も時間の許す範囲で対応いたします。
- 変形についての基本的な物理
- 変形の理論化と弾性
- 応力とひずみ
- 構成式とフックの法則
- 柔軟材の粘弾性評価
- 評価と解析手法
- 構成モデルの特徴と選定
- 測定の基礎と生体計測への応用実例
- モノの柔軟性とヒトの触感との関係、およびそれらの物理表現
- 触感の物理的テクノロジー
- システム化と情報化
- 実用化の戦略
- 「やわらかさ」とは
- 感覚と工学
- 「やわらかさ」と物理学
- 触診システムの物理的な原理
- 押込み動作とその理論化
- 理論の実用化
- 柔軟材の破壊挙動の評価への展開
- 柔軟性の物理に基づく製品デザインの実践
- 柔軟材の変形特性の測定実例の紹介
- 生体軟組織 (粘弾性体) の測定
- フォーム材 (低密度多孔質材) の測定
- 柔軟変形のデジタルデザイン技術
- 有限要素法 (FEM) と構成モデル
- 粒子法によるモデル化
- 柔軟変形の製品デザイン応用
- 一般的なデザイン手法
- デザインの最適化法
- 柔軟性の測定デモ (持込み試料の評価も可)
- まとめと展望