リップ化粧品の色・つや・持続性・使用感等の向上技術

再開催を依頼する / 関連するセミナー・出版物を探す
会場 開催

本セミナーでは、ゲルの基礎から解説し、ブルーミングやオイルの分離などのトラブル対策、品質や物性の安定化に必要な知識、ゲルを多様に表現するための応用編までを網羅的に解説いたします。

日時

開催予定

プログラム

リップ化粧品の基本構造は油性ゲルに着色剤を分散させたものである。リップ化粧品の性能として、唇に塗った際に美しいつやや色を提供すること、そしてその色やつやが長時間続くことが挙げられる。また、見え方だけでなく、塗布することによって唇を乾燥から防ぐことや乾燥感や違和感を与えないことも重要である。さらには、スティックやチップによって滑らかに、均一に塗布出来ること、そしてスティックやリップグロスが長時間の保管や使用によって、折れ・溶け・分離などの品質問題をおこさないことも不可欠な性能であるといえる。  これらの多岐にわたる性能を満足させるためには、まずは基剤である油性ゲルの物性を適切に制御することが重要である。また、着色剤をオイルゲル中に高分散させ、かつ安定させる技術、そして塗布にともなってゲルが崩れ、唇上にのった着色剤を長時間そのまま維持させる技術が必要になる。  本セミナーでは、油性ゲルの物性制御と、持続性向上も含めた着色剤のオイル分散制御の2点について、その基礎技術と化粧品への応用法を解説する。  油性ゲルについては、ワックス類なども含めた多種多様なゲル化剤について、その作用機構に基づいた分類とそれぞれのゲルの物性の特徴、そしてこれらがおこしがちな品質トラブルについて解説をおこなう。また、現在取り組みがおこなわれている新しいタイプのゲル化剤についても紹介をおこなう。  着色剤の分散については、分散を悪化させる因子やそれを改善する分散剤の機構について解説をおこなう。そして唇上から着色剤を動かなくさせること、すなわち高持続の技術にはどのようなものがあるのかを解説する。

  1. ゲルの基本、ゲルとはなんだ?
    1. オイルをゲル化・増粘する機構
    2. どうしてオイル分離 (離漿) をおこしてしまうのか
  2. ゲル化剤の種類とその性質
    1. 透明性の高いゲルを作る (低分子ゲル化剤)
    2. 加熱を必要としないゲルを作る (コロイドゲル化剤)
    3. 多様なオイルをゲル化する (ポリマー・オリゴマーゲル化剤)
    4. 硬いゲルを作る。プルプルのゲルを作る (ワックス)
  3. オイルの種類とゲル化機構
    1. オイルの種類とゲル硬度の関係 (オイルの極性・粘度)
    2. ワックスの種類とゲル硬度の関係
  4. 油性ゲル製品のトラブルのその対応
    1. オイルが分離してしまう (離漿、発汗)
    2. 結晶が分離析出してくる (ブルーミング)
    3. ちょっとした製造条件の差によるゲル物性の変化
    4. ほんの少しの共存物質が悲劇を呼ぶ
    5. 光学顕微鏡観察でわかること、勘違いしてしまうこと
    6. 電子顕微鏡でゲルの微細構造を観察するための技術
    7. ゲルの熱分析でわかること、わからなくなること
  5. 着色剤の油性ゲルへの分散
    1. 顔料の分散性に影響を与える因子
    2. 顔料分散剤の活用
  6. 最近のリップ化粧品の持続技術
    1. 持続性着色剤を用いリップ化粧品の持続技術
    2. ゲル増粘機構を用いた技術
    3. 高屈折率オイルおよびブリードオイルを用いた技術

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん
140-0011 東京都 品川区 東大井5丁目18-1
品川区立総合区民会館 きゅりあんの地図

受講料

複数名同時受講の割引特典について