独自仕様LPWAのLoRaとSigfoxが2013年頃からヨーロッパ中心に利用され始め、2015年には携帯電話網 (3G/4G) のデータ通信市場を奪い始めた。これに対抗するため、世界各国の携帯電話事業者や携帯電話機器ベンダは急遽セルラー版のLPWAの仕様を検討し、4GのLTE版LPWAを2016年3月に標準化した。2016年以降世界各国でLPWAの実証実験が開始されている。国内でも2017年初めにLoRaとSigfoxのサービスが開始され。3携帯電話事業者は2018年度中のLTE版LPWAのサービス開始を発表している。2020年に開始予定の5G携帯電話網においても、多数同時接続サービスの名でIoT向け通信サービスを検討している。LPWAは、2022年に200兆円とも予測されているIoTの大市場を創出する中核ネットワークであり、今後益々競争が激化する。このように、LPWAは2018年には、黎明期 (模索) から成長期 (競争) へと進展する。 このような状況において、本講義では、まずセンサネットワークを分類し、準広域センサネットワークのWi-SUN、IEEE 802.11ah (WiFi-Halow) を概説する。本論として、LPWAの位置づけ、多様な応用を示した後、LoRa、Sigfoxの独自仕様のLPWAの詳細仕様とその海外・国内における展開状況・サービスを説明する。さらに開発が活発化している独自仕様LPWAについても概説する。セルラーLPWAについては、4GのLTE版LPWAの、LTE-M (eMTC) とNB-IoTの2つの詳細仕様とその国内外における展開状況・サービス、5G (IMT-2020) における検討状況について説明する。最後に、独自仕様、セルラーの全LPWAを比較し、今後のIoT、LPWAの展望を述べる。