有機系圧電材料の開発とその応用技術

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本セミナーでは、フッ素系、ポリ乳酸系の有機圧電材料の性能と応用デバイスについて解説いたします。

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開催予定

プログラム

第1部 PVDF系圧電材料の開発とその応用

(2018年5月18日 10:30〜12:10)

 PVDF圧電体は、混ぜ物を一切することなく、PVDF樹脂の高次構造をコントロールする事により、圧電性を発現するユニークな高分子です。高分子の持つ性質を有した圧電体です。これまで、その特徴を利用して、いくつか応用してきました。その事例を紹介するとともに、応用に際しての留意点をお話しさせて頂きます。

  1. PVDF圧電体とは
    1. 圧電性とは
    2. PVDFの結晶構造
    3. PVDF圧電体の特徴
  2. PVDF圧電体の応用例
  3. 等価回路
    1. 材料内での巨視的現象
    2. 応用に際しての考え方
    3. 回路例などの紹介

第2部 圧電性ポリ乳酸フィルムによるセンシング技術

(2018年5月18日 13:00〜14:40)

 工業的に利用可能な圧電性ポリマーとしてこれまで良く知られてきたものはポリフッ化ビニリデン (PVDF) が唯一のものであった。強誘電体であり焦電性を有するPVDFは非常に優れたポリマーであるが、センサとして利用する上では焦電性がネックになることが多かった。  一方、2013年に世界で初めて日本で工業化された圧電性ポリ乳酸 (PLA) を用いたセンサは、焦電性が無く、変位のみを純粋に検知できる。また、ずり圧電性を利用した特徴的な検知方法を活かすことにより、多様なモードの変位を検知することも可能である。  タッチパネルを筆頭とする直感的操作が出来るヒューマンマシンインターフェイスは今後様々なデバイスにおいて一層普及する様相を呈している。PLAセンサはこれらをより一層発展させるキーデバイスとなりうる可能性があるものである。

  1. 圧電性ポリ乳酸 (PLA) について
    1. 圧電性ポリマーとそのセンサ応用について
    2. 生分解性プラスチックとしてのPLA
    3. PLAの結晶構造と圧電性
  2. 圧電性PLAのセンサ応用
    1. 圧電性PLAの特徴
    2. フィルムセンサの原理
    3. 光学特性
    4. 実際の応用デバイス
  3. 今後の展開

第3部 高分子圧電材料の広帯域周波数特性を生した超音波センシング技術

(2018年5月18日 14:50〜16:30)

 PVDFを代表とする高分子圧電材料は、一般に多く利用されているPZTなどの無機圧電材料に比べ、柔軟で広帯域な周波数特性を有しています。この特徴を生かして超音波探触子に応用すると、これまでとは違った特色あるセンシングを行うことができます。本講座では、このような高分子超音波探触子を用いたあらたなセンシング技術について概説します。

  1. 高分子圧電膜の特徴
  2. 高分子圧電膜および高分子超音波探触子の作製
  3. 高分子圧電膜の利点を生かしたセンシング技術への応用
    1. 集束形超音波探触子を用いたポリエチレン管融着部の健全性評価
    2. 分割形集束超音波探触子を用いた軸受けの転動疲労評価
    3. デュアル共振形超音波探触子による閉口き裂の非線形超音波探傷
    4. 符号化開口アレイ探触子による瞬時超音波撮像システムの開発
    5. 符号化積層探触子によるパルス圧縮超音波探傷システムの開発
  4. 高分子圧電膜を利用したセンシング技術における今後の展望

会場

株式会社 技術情報協会
141-0031 東京都 品川区 西五反田2-29-5
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