本セミナーでは、伝搬型、および局在型の表面プラズモンの基礎から、センサ、分析、受動デバイス、能動デバイス等への応用について解説いたします。
(2018年5月9日 10:00〜11:30)
金、銀、化合物などのナノ粒子を使ったプラズモニクスが注目されています。その材料も機能も多岐に渡ります。本講座では、その広がりについて、講師が実際に扱っている研究内容を中心に、なるべく平易に説明します。ナノ粒子プラズモニクスで何ができ、何が難しく、どんな研究が注目されているのか、解説します。
(2018年5月9日 12:10〜13:40)
表面プラズモンが外部の光と相互作用することにより、ユニークな光物性・光機能性が出現する。これを制御・利用する技術がプラズモニクスであり、近年特にナノテクノロジーの発展に伴って様々な光素子への応用が期待され、注目を集めている。 本講演では、その基本的な原理をシミュレーション動画を交えて解説した後、プラズモニクスの高輝度発光素子への応用について詳しく解説する。プラズモニクスを利用することにより、窒化物半導体をはじめとする様々な発光材料の、内部量子効率と光取り出し効率の両方を向上させることができる。また発光速度を著しく増加させられるため、高速光変調や超短パルス光にも応用可能である。さらに深紫外光から赤外光に至るまで、幅広い波長域で制御可能であり、光技術に新しい展開をもたらすことが期待される。
(2018年5月9日 13:50〜15:20)
有機EL素子では陰極として金属が用いられる。金属陰極と発光層との距離は100nm以下であるため、電流注入によって生成された励起子のエネルギーの多くは金属陰極表面の表面プラズモンに移動する。 本講座ではそのメカニズムと、金属陰極にプラズモニック構造を導入することで光取出し効率を向上する方法について述べる。一方、有機太陽電池ではエネルギーの流れる方向は逆であるが、その構造は有機EL素子とほぼ同じである。そのため、相反則より有機EL素子と同様のプラズモニック構造がその変換効率の向上には有効である。本講座ではその具体的な適用例について述べる。 また、有機太陽電池におけるITO電極を代替可能なプラズモニック構造を有する金属電極についても述べる。
(2018年5月9日 15:30〜17:00)
省エネルギー社会の構築に向けて、窓から侵入する熱線を効率よく遮断することが要求されている。特に、近赤外域の太陽熱と中赤外域の輻射熱を同時に遮蔽する反射遮熱断熱フィルムの創出が期待されている。更に、ウインドウへの応用に向けて、可視透明性やマイクロ帯域の電波透過性も併せて実現すること望まれ、可視からマイクロ波帯域まで幅広い光・電磁波制御が要求される。 本講演では、ワイドギャップ酸化物半導体ナノ粒子の表面・界面におけるプラズモン励起の電子・構造制御に基づいて、可視・電波透過性を持つ透明反射遮熱断熱フィルムに向けた取り組みを紹介する。