本セミナーでは、センサ、人工筋肉、タッチパネルなど、多くの応用例が期待されているアクチュエータについて取り上げ、高分子、ゲル、流体駆動、形状記憶合金などの様々な用途を解説いたします。
(2018年5月17日 10:00〜11:30)
機能性高分子材料は、柔軟性を有したアクチュエータとして注目されている。その中でも、電気刺激に対して変形応答する電場応答性高分子 (Electro-active polymer: EAP) は、応答性や制御性に優れている。また、逆に変形に対して電気信号を発生するものもあり、センサとして利用可能である。 本講演では、代表的なEAP材料について概説するとともに、イオン導電性高分子アクチュエータに関して、素子の作製法や、センサ・アクチュエータの両機能を組み合わせた利用法、制御システムへの応用について紹介する。 本講座で高分子アクチュエータの基礎を理解頂き、使ってみる、試してみるきっかけになれば幸いである。
(2018年5月17日 12:10〜13:40)
様々な光デバイスや画像技術が急速に進展・普及する昨今、光で駆動可能な材料やデバイスは、これまでになく高度で繊細な自動制御を実現する重要な構成要素となる可能性を潜在的に有している。こうした状況において演者らは、水系で光駆動可能なソフトでウェットなアクチュエータ材料として、素早く顕著な体積変化を可視光照射によって可逆的に引き起こすことのできる光応答性ヒロドゲルを開発した。講座では、この材料の優れた光?体積変換のメカニズムと、微小システムの光制御への応用について述べる。
(2018年5月17日 13:50〜15:20)
油空圧アクチュエータの近年の研究開発動向を簡単に述べたのち、講師が開発している、油空圧駆動の人工筋肉とそのロボット応用について述べる。
(2018年5月17日 15:30〜17:00)
タッチパネルなどの操作パネルを指が触った瞬間にクリック感を発生させる新方式アクチュエータを開発した。従来の振動モータ等と異なり、パネルのみが一瞬にして震える形状記憶合金を用いた独自技術から生まれた。その原理を説明するとともに市場拡大が期待される車載市場での応用について紹介する。また疑似的に作りだした「クリック感」を、受講者の皆様にも体感していただきながら解説する。