第1部 アニール処理による高分子の高次構造変化メカニズムとその解析
(2018年5月17日 10:30〜12:00)
- はじめに
- 高分子の高次構造
- 高分子の熱的性質
- ガラス転移とエンタルピー緩和
- ガラス状態
- ガラス転移
- 体積緩和とエンタルピー緩和
- ガラス状態のダイナミクス
- 低温結晶化とアニール効果
- 結晶構造と高次構造
- 結晶化機構
- 低温結晶化とその影響
第2部 プラスチック成形品、フィルムにおける残留ひずみの発生メカニズムとアニール処理条件設定のポイント
(2018年5月17日 13:00〜15:00)
プラスチック製品の品質を左右する要因の1つとして残留ひずみがある。過大な残留ひずみが存在すると光学性能の低下、クラック発生やそり不良などの不具合を生じる。残留ひずみは成形工程での設計対策、成形条件対策などによって軽減することは大切であるが、どうしてもアニール処理によって除去しなければならないケースもある。しかし、アニール処理では除去できないひずみもあるし、アニール処理によって別の不具合を誘発することもある。
本講では、残留ひずみの発生原理と対策を説明した上で、アニール処理の方法、注意点などを現場的観点から解説する。
第1節 残留ひずみの発生原理・対策
- 残留ひずみはどうして発生するか
- 配向ひずみの発生機構
- 冷却ひずみの発生機構
- インサートひずみの発生機構
- 熱ひずみの発生機構
- 射出成形工程で発生する残留ひずみの対策は
- 配向ひずみ
- 配向ひずみ発生原理
- 配向ひずみによる不具合と低減対策
- 冷却ひずみ
- 冷却ひずみ発生原理
- 冷却ひずみによる不具合と対策
- インサートひずみ
- インサートひずみ発生原理
- インサートひずみによる不具合と対策
- 押出成形と残留ひずみの対策は
- 配向ひずみ
- 発生原理
- 冷却ひずみ
- 冷却ひずみによる不具合と対策
- 二次加工による熱ひずみの対策は
- 二次加工による熱ひずみ発生原理
- 熱ひずみによる不具合と対策
- 残留ひずみをどう測定するか
- 配向ひずみの測定法
- 光弾性法
- 複屈折測定法
- 冷却ひずみ、インサートひずみ、熱ひずみの測定法
- 溶剤浸漬法
- 応力解放法
第2節 アニール処理について
- 応力緩和とは
- アニール処理とは
- 残留応力の低減
- 寸法の安定化
- 物性の改善
- アニール処理条件をどのように決めるか
- アニール処理温度
- 樹脂の特性とアニール温度
- アニール処理時間
- アニール時間の決め方
- 製品肉厚とアニール時間
- アニール処理にはどんな方法があるか
- 熱風加熱炉による方法
- 油またはソルトバスによる方法
- 高温水による方法
- 遠赤外線加熱炉による方法
- その他の方法
- 樹脂の種類とアニール処理条件は
- ABS
- PC
- 変性PPE
- POM
- PA6、PA66
- PBT
- PPS
- PEEK
- PAI
- アニール処理によって除去できない残留ひずみはあるか
- インサートひずみ
- 配向ひずみ
- アニール処理の注意点は
- 寸法収縮 (加熱収縮)
- 色相変化
- 衝撃強度低下
- アニール処理はどのような場合に必要か
- ソルベントクラックの防止
- 機械加工時の割れ防止 (丸棒、厚板のような厚肉品の機械加工)
- その他* 質疑応答
第3部 樹脂・フィルムへのアニール処理のための装置とその運用、応用
(2018年5月17日 15:15〜16:30)
- プラスチックフィルムのアニール処理を行う目的
- 加熱収縮率低減による安定性向上
- ラミネーションカールの抑制
- たるみ、しわ補正、平滑性の向上
- フィルム製膜プロセスと配向による熱歪の残留
- 特許からみた結晶性フィルムの弛緩熱処理方法
- インラインアニール処理
- オフラインアニール処理
- ラボオフラインアニール処理の装置と運用について
- 装置の種類と構成
- 低熱収縮化処理の検討手順とその事例
- 熱処理、アニール処理の3要素の調整
- コーティング前処理と熱歪除去のインライン加工装置
- アニール処理の事例
- アニール処理によるPros/Cons
- アニール処理後の熱寸法安定性
- アニール処理後の平面性評価
- アニール処理フィルムによるラミネーションカール抑制効果
- ITO後結晶化処理
- 溶剤キャスティング法で製膜されたフィルムの残留溶剤除去