第1部 機能性複合材料の設計にむけた微粒子/ナノ粒子表面改質と分散制御技術
(2018年4月18日 10:30~12:10)
ポリマーナノコンポジットやセラミックス複合材料の機能性はその微構造により左右されるため、複合材料の製造工程における微粒子/ナノ粒子の分散安定化や集合構造の制御技術は重要な要素である。
本講では、微粒子の性状と分散媒種に応じたテイラーメードな表面設計技術や、各種材質の微粒子に適用できる高汎用な表面設計技術に基づく微粒子の分散・集合構造制御法を、複合材料の設計事例と合わせて紹介する。
- 機能性微粒子/ナノ粒子の分散制御技術の重要性
- 機能性微粒子/ナノ粒子の表面修飾操作
- 表面修飾過程で生成する凝集体
- コロイド状微粒子および乾燥粉末に対するアプローチ
- 機能性微粒子/ナノ粒子の分散安定化のための表面設計事例
- 複数の修飾剤を組み合わせた表面化学構造のチューニング技術
- 多種類の分散媒への分散化を実現する表面化学構造の設計
- 多段階表面修飾技術
- 微粒子材質を選ばない表面修飾技術 (多成分系分散体の分散安定化にむけて)
- 多成分系分散体における機能性微粒子/ナノ粒子の液中分散・集積構造制御技術
- 微粒子/ナノ粒子の液中分散・集積構造制御技術を活用した機能性複合材料設計事例・ポリマーナノコンポジット材料
- 機能性セラミックス材料
第2部 水系分散、溶剤系分散における分散剤の使い方と選定法、評価法
(2018年4月18日 13:00〜14:40)
昨今ナノ粒子の分散が盛んに検討されている。μ単位の粒子とは粒子径、比表面積が非常に異なり、その凝集性が大きく、分散する時に分散剤の選定が非常に難しい。特にナノ粒子では二次粒子を如何にぬらし、解きほぐすのが難しく、この問題解決には界面活性剤 (ぬれ剤或いは湿潤剤等) の基礎知識、応用知識が必要である。
分散を考える時、50数年前に出された概念として“分散の三要素 (ぬれ、解きほぐし性、安定化) ”がある。非常に古い概念であるが、ナノ粒子の分散にも十分に使える基礎的な考え方で、その要素をどのように考え、使うかがポイントになる。それには分散に繋がる界面活性剤の知識、理解が必要である。
この講座では分散に関連した界面活性剤の基礎を説明し、また被分散体である粉末についても、粉末の粒子径、粒子形、組成、物性等を説明し、何故凝集しているのか、特に超微粒子 (ナノ粒子等) について説明し、どうすればこれら凝集性の強い粉体を一次粒子に解きほぐし、再凝集を防ぎ、分離・沈降のない安定なスラリーを得るかを説明する。また簡易な分散剤の選定法及びスラリーの評価方法についても説明したい。
- 分散剤ならどの様な粉末、顔料でも分散出来るか
- 分散系が水系か非水系かにより分散の考え方が異なる
- 被分散体である粉末の粒子径、粒子形、組成、極性等を知る
- 分散を考えるベースとなる界面活性剤の基礎知識について
- 分散の三要素とは:元々水系分散の概念だが溶剤系にも応用できる
- 粒子径の違い (ナノ粒子か、サブミクロン粒子か等) によって分散の三要素をどう使うか
- 水系分散と溶剤系分散の考え方の違い
- 最適分散剤の簡易選定法について
- 分散スラリーの簡易評価法について
- 溶剤系分散の考え方;SP値、ハンセンの酸・塩基相互作用に基づき分散を考える
- 市販分散剤のまとめ等参考資料の紹介
第3部 分散性を支配するナノ粒子の界面特性因子とその評価
(2018年4月18日 14:50〜16:30)
- 親水性・疎水性とは? – 濡れ現象と樹脂との親和性 -
- さまざまなナノ粒子の特性と品質管理
- ナノ粒子の親水性・疎水性が関わる事象と品質変動
- すぐに役立つナノ粒子表面の親水性・疎水性評価法
- 遠心沈降分析法による評価
- 原理と使用装置の概要
- 適用例
- パルスNMR法による評価
- 原理と使用装置の概要
- 適用例
- 電位差滴定法による評価
- 原理と使用装置の概要
- 適用例
- まとめ